表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

ホームにて 彼の言葉

作者: 月這山中

「復活編あるじゃん。火の鳥の。脳の回路に障害が残って、人間がモノに見える主人公。目の前の生きた人間が、無機物やグズグズの肉塊に見えたりする話。」


「まあ、なんだ。そういうのとはちょっと違うけど。」


「そこまで重症でもないんだ。知り合い程度の相手だと見分け付かないくらいで。」


「いつごろからかは解らないけど、やっぱり……生まれつきだからしょうがない。」


「無茶を言うようだけど、気にしないで欲しい。俺自身だって、普段気にしないようにしている。忘れている時だってある。握手やハグをせがまれても我慢して応じることができる。話がわかる相手なら楽しんで話すこともあるし。恋だってできる。……その後のあれこれを考えたら、発展しないけど。」


「でも……ほら、ケンカした奴と、仲直りとか、許したことって生涯で無くてさ。どうしても、分かり合えないって思い込んで。幾ら誠意見せられても、どうせこの糞……って自分でも驚くほど冷たくなって。」


「相手が動かなくなるまでじゃないと許せなくてさ。」


「親にだって相談しなかった。話さずに済むならそれで良かったけど、でも、これからを考えると辛いんだ。」


「まだ君とは話し足りない。この目、これがあるから、声と文字と、写真と絵だけが俺のよりどころだった。ワンステップがないと世界とかかわれないんだ。」


「今まで、それをつかって君が、伝えてくれたことは、小気味良くて、心地よかった。君ならどうでもいいと笑ってくれるかも。君になら話せる気がした。だからこうして……」


「頼む。この告白を聞いたら、さっさと忘れてくれ。




人が糞のつまった袋にしか見えないんだ」




 終

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ