和芥子

　おでんに欲しいですね。

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　煮くずれてねえ大根のかどは立ってるが

　ひとたび ほおばりゃ ほろほろとほどけておちる

　椀(わん)のふちへと こんもりと

　もられた和芥子(わがらし)をなすりつけたら

　ぴりりとこの目にしみる

　青い山葵(わさび)と 赤い唐辛子の

　どっちつかずに ぼやけちゃなんねえぞ

　おまえはおまえの黄色を あざやかに練(ね)りあげて

　ひきたて役にはひきたて役の

　台詞(せりふ)と舞台があるもんさ

　そいつが椀(わん)のふちだと言うなら それもよし

　茶色く染まった煮卵を箸(はし)で割ってやる

　白身を裂いたら 黄身が汁へと溶けていき

　甘くてかなわん おなじよな

　色した和芥子(わがらし)をといてまぜれば

　つううんと鼻までつねる

　黒い胡椒(こしょう)と 白い塩ほどには

　愛されねえけど ぼやいちゃなんねえぞ

　おまえはおまえの黄色で 高く薫(かお)りをはなて

　鼻つまみものにゃ鼻つまみゆえ

　ふさわしい場所があるはずさ

　そいつが汁にとけこむことなら それでよし

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　味噌カツにも、合います。

　からしマヨネーズも好き。

制作：ひだまりのねこ先生