第5話「もう一人の幼なじみ」
「別に勘違いされたって良いじゃん。名前で呼びあう仲にならないと中々打ち解けにくいわよ」
「それはそうかもしれませんが‥やっぱり異性ですので、変なふうに勘違いされやすいと思いますから」
「勘違いされたらされた時に考えても遅くないから大丈夫だよ」
「そう言ってくださってありがとうございます。それではさっそくメンバーの皆さんにご挨拶をしにいきたいのですが、どうしたら宜しいでしょうか? 」
「エースだった愛理は、女優業界から声がかかって今後は女優の道を歩むって今朝電話で言ってたし、そらは、違うアイドルグループに移籍することを昨日電話で言っててその他のメンバーのほとんどは、辞めてしまって残ってるのは、私の娘の友美と毎日レッスン部屋で躍りの練習を昨日もしていた友美と同級生の中井 穂乃花と板野 唯の3人しかいないね」
「分かりました。それでは今から挨拶してきます」
「頑張ってね~」
そして僕は、2人に挨拶をしに向かいまずは、レッスン部屋に辿り着くと1人で練習している中井さんの姿があった。
まさか僕の幼なじみがもう1人アイドルになってるとは。
よし中に入ってみよう。
そして中に入っていくと僕に中井さんは、練習を止めて素早くこっちに気づいて話しかけてきた。
「坂本じゃないか。 久しぶり」
「久しぶり」
「なんでこんなところに坂本がいるんだよ。おかしいだろ」
「今日からアイドルハイスクールの第2世代としてこれからの活動をしていくためにオーナーからプロデューサーを頼まれて今日から就任したんだ」
「坂本がプロデューサーになるってあり得ないでしょ?キモッ」
「相変わらずツンツンしてるんだな」
「ツンツンしてて悪かったわね。そういや1つだけ謝っておきたいことがある」
「急にどうしたんだよ」
「1回しか言わないからよく聞けよ。今から13年前の事って覚えてるか」
「13年前って僕が8歳の時だよね? 」
「そうだな。坂本が学校の下校時に家まであたいたちの家の距離ってだいだい2キロくらいあっただろ? 」
「あったね。おまけにそれまでトイレらしきものがなかったもんね」
「それであたいが友達と下校してるときに坂本は隠れながら立っておしっこしてたのを見つけた時にあたいは、ただその時は男子がついてるあれがすごく汚く見えて友達にも話してキモッって言ったことあっただろ」
「あったね。あの時は、本当に我慢できなかったから漏らすよりかはマシかなって思ったんだよ」
「そうだったんだ。あれからあたいは、同じ地区の女子にもその事をチクってしまったんだ」
「急に同じ地区の女子から無視されるようになった時は悲しかったね」
「それから時間が経過していくにつれてあたいは、悪いことをしたという自覚をもった。しかしあたいは、坂本に謝れないまま時は流れていき、あたいが10歳の学校の帰り道におしっこにいきたくなって家までかなり距離があってその時に坂本の気持ちが初めて分かったんだ」