第46話「ようやくMV撮影」
「そんなの困るし、汐莉ちゃんが嫉妬するかもって考えると… 」
「それなら大丈夫だよ。嫉妬した分だけあとで昌くんに甘えたりキスしたりするから安心して。まぁ、次のシングルから水着系を外していけば今回みたいな修羅場みたいな事にはならないと思うから今回だけの審査員と思って頑張ってね」
「汐莉ちゃん…分かった。頑張るとするよ」
そして着替えたメンバーたちは、ビキニ姿で海辺に集まってきた。
「汐莉ちゃん、僕が撮影することになったけど、どうしたらいいの? 」
「歌いながらメンバーたちは、踊ったりするから選抜入りメンバーを一通り映す感じで良いと思うよ」
僕は、アドバイスを受けながら距離をとって撮影の準備をすると汐莉ちゃんがこう言ってくれた。
「それだと遠いからメンバーたちの姿が見えにくくてまるで盗撮みたいな感じになるから3歩くらい前に出てメンバーたちが動いたり踊ったりし始めたら適度に前にいったり左右横にいったりしたら良いと思うよ」
「分かった。その通りにしてみるよ。アドバイスしてくれてありがとう」
「ぜんぜん良いよ。それじゃ撮影頼んだわよ」
「分かりました! それでは皆さん今からMVの撮影をするので音楽が鳴り始めたら間で練習した順に踊ったりしてください。それではいきます。よーい、アクション! 」
そしてメジャーデビューとなる『キミからメッセージ』MVの撮影がようやく始まった。
幸い撮影が始まるとメンバーたちは、真剣にそして笑顔になっていく。
キミとこのままいたいんだけど
いつも私の方をみてるけどキミは何も言ってくれない
それだと何も伝わらないよ (伝わらない)
言いたいことがあるのなら勇気を出して
恥ずかしいのならたとえ一言でも良いんから私に届くように伝えてよ
キミの一言で私の心は揺れるんだよ
別にかっこよく決めなくても良いから
私に届くようにメッセージを伝えてよね
私はキミからの一言を待ってるんだから
ストレートに言ってほしいんだからね
早くしないと他の人に先越されてしまうよ
最後にメンバー全員が集まって笑顔で笑ってくれて撮影前とは違ってアイドルらしい仕事をしてくれて僕は、ほっとしながらみんなに大きな声でこう言った。
「カット! 撮影完了です」
するとメンバーたちは、嬉しそうにしており僕は、変な決定戦の事は撮影で疲れて忘れてくれたのかなと思っていた矢先に望が僕のところにやって来てすごく気になりながらこう言った。
「昌くん、それでどうだった? 」
「どうだったって僕も初めてのMV撮影でしっかりと撮影することに夢中だったから分からないよ。ちゃんと見れてなくてごめんね」
「あっ、そうか昌くんもいきなりのMV撮影で忙しかったもんね。私の方こそごめんね。それなら今から近づくからじっくりとみてもらって決めてもらう」
「なんでそうなるんだよ! 」