第44話「ちょっとしたトラブル」
すると友美が僕にこう言った。
「それなら大丈夫! マネージャーの桜ちゃんは、カメラ使うのが得意だから。それに唯ちゃんや妹ちゃんたちは、レコーディング終わってから恭子先輩にカメラマンの件でどうにかなりませんかってお願いしてたよ」
「なんでそうなるんだよ」
「恭子先輩は、女優経験が豊富で結構顔が広いから何とかしてもらえるんじゃないかなって思ってると思う」
「それで橋本さんは、どう言ってたの? 」
「でもこればかりは、ドラマの撮影とかじゃない上にあたしはメンバーの一員だから難しいねって話してたけどね」
「そうなんだ。明日が心配になるね」
心配事を抱えたまま次の日を迎えることになり僕とオーナーの汐莉ちゃんとメンバーたちは、近くの海辺に集まっていたがほとんどのメンバーに元気がなかったので僕は、エースの唯に聞いてみた。
「唯、みんな元気が無いんだけど、どうしたの? 」
「元気がないというかみんな緊張しすぎて、おまけに初めてのメンバーが多いからなかなか水着に着替えられないみたいなんだよ」
「いやいや、普通のアイドルグループの水着のMV撮影する時は、プロのカメラマンに任せるのが普通って聞くよ」
「はりきっていた妹ちゃんなんて身体が震えすぎて今にも身体が拒否反応起こしそうな感じだよ」
「それじゃ場所は海辺のままで普通のMVに変更しよう」
するとレコード会社の社長の堀江さんがいきなりやって来て僕にこう言った。
「他のアイドルグループの水着姿を扱うMV撮影は確かにプロのカメラマンが撮影してするのが普通なんだけど、インティーズでの下積みを2年間くらいしてメジャーデビューとなるMVが水着というケースは、いくつかあるけど一番最初から水着でしかもビキニ姿でデビューするグループは少ないね。でもアイドルエッグの場合は、大半のメンバーが新人メンバーで経験がほとんどないからこうなってしまったのかもしれないから坂本くん代わりにMV撮影してもらえないかな? 」
僕は、この時いきなりの流れに戸惑っていた。
「それですとカメラマンの方や関係者の方に申し訳ないですよ」
「それなら私の方から話しておきますので大丈夫ですよ」
「ご迷惑おかけして本当に申し訳ございません。あとでメンバーの皆さんに注意しておきますね」
「注意はしないであげてください。別にMVの撮影するのを嫌がってるわけではありませんし彼女たちは頑張ろうとしているわけなので優しく接してあげて彼女たちの最高の可愛らしさを引き出してあげてください」
「そう言って頂けると助かります。本当にありがとうございます! 」
すると汐莉ちゃんがやって来て僕にこう言ってくれた。
「撮影で困ったことがあったら相談してね。こうみえても私、カメラとか使うの得意だから」
「汐莉ちゃん… 」
そして僕がMVを撮影することが決まったことを知ったメンバーは急に明るくなり始めて爆乳の達人として開花しようとしている望がこう言った。
「それじゃ今から撮影に挑むわよ! 」
「のぞみ、さっきまでとぜんぜん違うじゃん」