第41話「メジャーデビュー」
「親睦合宿から2週間が経過して5月も半ばになりました。
新人メンバーが入ってから約1ヶ月が経過してグループとして形になり始めたので皆さんに良いお知らせと第2世代のエースの発表をしたいと思います」
すると香川 里美さんがドキドキしながらこう言った。
「良いお知らせってなんですか? 」
「気になりますよね?それでは皆さん発表します」
メンバー全員深刻そうな表情で発表を心待ちにしていた。
「なんとアイドルエッグの正式結成とメジャーデビューが決まりました」
メジャーデビューと聞いた瞬間、メンバーたちは大喜びし始めてマネージャーの板野 桜さんは嬉しそうにしながらこう言った。
「シングルのリリースが決まった上にメジャーデビュー出来るなんて嬉しいですね」
「本来アイドルグループと言うのは下積みつまりいきなりメジャーデビューは、ほとんど出来ないためインティーズつまり野球で言う二軍からのスタートになります。しかしこのグループは、色々ありながらも初代の実績がありまして初代からのメンバーもいるためいきなりメジャーデビュー出来るようになりました。そのため皆さんは、初代の人たちに感謝しなければいけないのと共にこれからが始まりとなるため嬉しいこともあれば辛いことや厳しいこともたくさんありますが頑張ってください。そしてメジャーデビューとなる1stSINGLEのタイトルは『キミからのメッセージ』になります」
そのタイトルを聞いて一番最初に反応した普段は草食系で控えめなタイプの矢野 桃子さんはこう言ってくれた。
「キミからのメッセージってすごく胸がときめきそうな感じで嬉しくなりますね」
「はじめて作詞をさせていただいたので皆さんに気に入ってもらえるか分かりませんが、メンバーの皆さんとファンの皆さんに喜んで頂けたらと思っております。それでは今から第2世代のエースの発表をしたいと思います。メンバー29名の中から第2世代のエースとして選ばれた方は、板野 唯さんです」
僕がエースの発表をすると選ばれた唯は、いきなり泣き始めながらこう話す。
「どうして私なの?気持ちはすごく嬉しいんだけど、エースにふさわしいメンバーなら私じゃなくてもたくさんいるし私は今でこそあれだけど第1世代の終盤なんか悪い態度したり偉そうにしてみたり口調も悪かったんだよ。だからファンがこの事を知ったら私のせいでこのグループのイメージが崩れてしまうよ」
「そんなことないよ。確かに色々あったかも知れないけど、今は日々頑張ろうとしているしアイドルの頂点を目指すことについても辛いことや苦しいことがあってもめげない気持ち、負けない気持ちを強く持っていると僕は、思うからエースに選んだよ」
「昌くん… そう言ってくれてありがとう。私、みんなのために頑張るよ」
「頼んだよ! ちなみにエースになれば良いことも悪いこともすごく目立つからそこだけは気を付けてね」
「分かった。気を付けるね」
こうしてエースは、板野 唯さんに決まったのであった。