第38話「アイドルについて」
「確かにメンバーの女の子は、可愛いですし接近されたりしたらドキドキはしてしまうと思いますが、アイドルはファンに支えられてこそだと思うので、一線を超えるようなことはありません。
それにメンバーと自由に付き合ったりすることが出来るとしても僕は、汐莉ちゃんが一番大好きだから答えや気持ちは同じだよ」
「ありがとう。でもオーナーとプロデューサーが付き合う事ってほとんどないよね」
「僕は、聞いたこともないよ。汐莉ちゃんが魅力的で可愛すぎるからだよ」
すると汐莉ちゃんは、ものすごく恥ずかしそうにするから言った。
「もう昌くんったら… まぁ他のメンバーや友美も昌くんの事一人の男性として意識してると思うから私と付き合ってる事が分かったら落ち込むと思うけど、ちょっと今からこの状態でって思うかもしれないけど真面目な話をするよ。アイドルとして本格的に活動していく上で確かにこのグループは恋愛禁止のルールは無いから誰かと付き合ったりしても問題は無いんだよ。でも付き合ってる情報が流れるとその子を推してくれていたファンからしたら悲しみしかないと思うからファンは減ってしまうのが現実なの。だから本当の意味でアイドル人生を長く続けていきたいのであれば、アイドルの存在はファンに夢を与え続けてあげてファンから敬愛してもらうで成立するものなの。別に人はみんな性欲はあるから夜に一人えっちならしていいんだけど、誰かと恋をしたくても我慢していかないと長くそしてアイドルの頂点に立つことは出来ないと思う。」
「汐莉ちゃんの言う通りだね。確かに初代エースだった愛理ちゃんは、長年ファンから支持され続けてるしアイドルとして長く続けていくには、そこが重要になるね。」
「そうだね。だから年齢が若いから長年アイドルを続けられるとか年齢が若くないからアイドルを長年続ける事が出来ないって勘違いしている人は、業界でも意外といるみたいだけど、それは違ってアイドルに自分がなったきっかけと原点さえ忘れなければ年齢に限界があるって言ってもプロ野球選手みたいに40歳前半くらいまでは続けられると思うわよ。」
「40歳前半くらいまでアイドルを続けられたらすごいですしアイドル界で殿堂入り間違いなしって感じだね」
「そうだね。今から話すことは私が昌くんを獲得できたから他人事だと決して思ってるわけじゃないからね。メンバーからしたら私たちが付き合ってる事を聞いたら悲しいと思うけど、本当の意味でアイドルを続けていくのならむしろ良い環境だと思うの。仲良くはなっても昌くんに彼女がいるって事が分かればそこから一線を超えようとはならなくなるからね」
「確かにそうだね。やっぱり汐莉ちゃんの話って勉強になるよ」
「そんなことないよ。その代わりえっちな気持ちになってる時は、えっちな話ばっかりするけどね。それじゃそろそろ私は、身体を洗うから待っててね 」
「うん、分かった。それじゃ僕は、後ろ向いておくよ」