第33話 「オーナーの優しさとエロさ」
「昌くん、待ってたよ~」
「汐莉ちゃん、なんで部屋分けのプリントに勝手に名前を書いたんだよ。事前に汐莉ちゃんは、他の仕事が入るかもしれないから名前は書かないでって言ってたのに」
「仕事が入らないことが決まったから昌くんの横に汐莉って書いておいたんだよっ! 」
「こんなの他のメンバーがみた時、2人で何かあるんじゃないみたいな話でもされたらどうするんだよ」
「大丈夫だよ。みんなメンバー同士の親睦を深めることでいっぱいになるはずだから。だって私たちの部屋以外は各部屋に話題に困らないよう私の書いた手紙と私が作った特性トークサイコロを置いておいたから」
「いつの間にそんなこと出来たんだよ。ちなみにそのサイコロには、どんな内容が書いてあるのかな? 」
「全部は書きすぎて覚えてないけど、最近あった嬉しい話とか好きな男性のタイプとか自分の苦手な分野とかいっぱいあるよ」
「でもなんでそこまでしてくれたのかな?そこまでしてくれなくても親睦合宿なんだからメンバー同士仲良くなれそうな気がするんだけど… 」
「昌くん、その考えは甘いよ。メンバーって言っても女の子同士である上に程度年齢差がある部屋グループだってあると思うからそうなると、何を話したら良いのか分からないとか、今の時代だとスマートフォンとかを触るのに夢中になってしまう可能性があったりするからこの親睦合宿が台無しになる可能性もあるとみたの。でもこれのサイコロがあれば話のきっかけを作りやすくなる上に昌くんが二泊三日に設定してくれたお陰で仲良くなれる可能性が上がるからね」
「そうなんだ。確かに消極的なメンバーもいるから何かあった方が良いかもしれないね。わざわざ作ってくれてありがとう」
「ぜんぜん良いよ。それじゃ今から昌くんは、私と踊りの練習をしようか」
「踊りの練習ってどうやってするのかな? 」
「立って片足を軽く上げたりくるっと回ったりしていくの。昌くん、踊りは苦手って前に話していたからそれなら少しでもできた方が良いでしょ? 」
「確かにそうだね。わざわざ考えてくれてありがとう」
「ううん、ぜんぜんいいよ。それじゃ今から私は、ビキニに着替えるからちょっと後ろ向くね」
僕は、いきなりの展開に顔を赤くしながら話す。
「なんでわざわざ踊るだけでビキニにする必要があるんだよ」
「だってこれからシングルを出すときにビキニ姿でMVをとるかもしれないでしょ?
その時は、29人のビキニ姿を目にすることになるからそれで昌くんが可愛いって思うだけじゃなくてそれで興奮しすぎて意識を失ってしまう可能性もあるからそれなら私がビキニ姿で今のうちに踊ったりしていたら予防になると思うから。それじゃさっそくスカート脱いでいくよ」
「ちょっと、汐莉ちゃん待ってください。
僕も後を向くので」
「それはダメだよ。昌くんにはこのままでいてもらわないと」
「そんなことしたらおしりが見えてしまうじゃない」