第15話「素直な彼女」
「色々あったんだね。でもなんで唯はこのグループから脱退しなかったの? 」
「もちろん親からはこんなグループ辞めなさいって何度も言われたけど、私はアイドルの夢をそれでも捨てきれなくてもちろん私自身嫌な思いをしたよ。だから違うアイドルグループに移籍できないかを藤本オーナーと何度も話して私は、他のアイドルグループのオーディションに全部で1年間で100回くらい受けた。だけど、最終審査までは残っても全部不合格に終わって移籍先を藤本オーナーは、忙しい中時間さえあれば懸命に探してくれたけど、結局見つからなくて私は、アイドルを辞めようって思ったけどアイドルになる夢は、お母さんとの約束でもあったからなんとか頑張ろうとしていたら気づいたら私自身が悪いようになっていってしまったの」
「やっぱり唯は、すごいよ!僕だったら諦めてるよ。
それなのに諦めずに悪いようになりながらも頑張り続けていたというのは、頭が上がらないよ」
「そんなことないよ。お母さんと約束したことだから。それでそれ以降に私以外の何人かのメンバーにも分かりにくいところで似たような事をしたらしくてそれがこの間オーナーにバレてしまい、オーナーはそいつを怒鳴り散らして多額の違約金と共にそいつは、辞めて警察に出頭してアイドルハイスクールは解散となって今に至ってるというわけ」
「ごめんね何も知らないのにアイドル辞めてほしくないなんか言って」
「謝らなくて良いよ。だから私は、プロデューサーの存在が大嫌いで憎しみでいっぱいだったのよ。でもあんたは、私が蹴ったり殴ったりしてもあざがいくつかあるのにも関わらず一切抵抗せずに元の私に戻そうとしてくれてさらに自分が音痴だからそれを治したいって私に土下座して来られた時は、正直参ったし元の私に戻すことが出来るのは、あんたしかいないって思ったのよ」
「唯… 本当にごめんね」
すると板野さんは、四つん這いの状態でまたいきなり泣きはじめてしまいながら恥ずかしそうにしながらこう言ってくれた。
「今だけなら、私素直になれる気がする。蹴ったり殴ったり叩いたりして本当はごめんね。あざとかあるのも分かってるから私にいじめられたって良いんだよ。あんたは、私を元の姿に戻そうとしてくれたのに私は、酷いことしたんだからアイドル失格だから」
僕は、板野さんを抱き締めながらこう話す。
「ちょっと抱き締めるけどごめんね。いじめられたなんて間違っても言わないし、失格なんかじゃない。最高の女の子だし、最高のアイドルだよ。これから僕たちと一緒に頑張ってほしい」
「ううん昌くん、そう言ってくれてありがとう。ねぇ、キスして… 」
「うん、良いよ」
板野さんは、そっと目を閉じて唇を尖らせてきたので、僕は、そっとその唇にキスをしてあげると舌を軽く出してきたので僕も軽く舌を出して舌と舌とが軽く触れあった。
「昌くん、本当にありがとう。こんな私だけどこれからもよろしくね」