第13話「歌の練習」
僕は、なんとか板野さんとの距離を少しではあるものの縮めることが出来たのである。
そして次の日近くのカラオケに行くことになったためアイドルハイスクールの施設の入り口で待ち合わせをしていた。
「来てくれてありがとう」
「仕方ないからね。それじゃさっさといくよ」
「うん。昨日より可愛い服装にしてるんだね」
「勘違いしないでよ、別にデートする訳じゃないんだから。ただなんとなくたまには違った服にしてみようと思っただけだから」
「この姿だと可愛いからファンになっちゃいそうだよ」
僕がそう言うと板野さんは、顔を赤くしながらこう言った。
「次、変なこと言ったら100回蹴るわよ。ほらいくよ」
いきなり僕は、手を繋がれてカラオケに到着した。
「なんでいきなり手を繋いでくれたの? 」
「私の手が勝手に繋ぎたくなったからだよ!ほら、いくよ」
そして僕たちはカラオケ店の中に入っていきカラオケルームに入ってドリンクを注文していく。
「唯はドリンク何がいい? 」
「とりあえずドリンクは1個で良くない?2個だと遅くなるし」
「1個も2個もかわりないと思うけどね」
「1個と2個とでは、ここのカラオケ店はドリンクを持ってきてくれる時間が異なるんだよ。ほら、早く1個注文して練習始めるよ」
僕は、とりあえず言われた通り1個のドリンクを注文して持ってきてもらってから歌の練習を始めていくが、僕の酷い音痴に板野さんが怒り始めてしまう。
「あんた、音痴にも程があるだろ? こんなの聞いてたら頭痛してくるよ」
「ごめんなさい」
「こりゃレベル1からじゃなくてレベル0からだな」
それから約4時間ほど板野さん指導のもと歌の練習をしていき失敗するたびに蹴られたり叩かれたりされたが、少しずつ上手くなっていき休憩になった。
「とりあえず休憩ね」
「付き合ってくれてありがとう」
「仕方ないからね。それにしても音痴のレベルは、クズの中のクズだね。はぁ、疲れた。ちょっとドリンク貰うよ」
「うん、良いけど」
板野さんがある程度ドリンクをストローで飲み終わると僕に返してきた。
「ほら、あんたも飲みよ」
「そう言われてもストロー変えないと… 」
「私の飲んだ後じゃ汚いとでも言いたいわけ? 最低」
「違うよ。このまま飲んだら間接キスになってしまうから怒られないかなって思ったんだけど… 」
僕は、思わずはっきりと言ってしまい怒らせてしまったと思ったその瞬間、いきなり板野さんは、顔を赤くしながら僕をソファに押し倒してきて僕の唇に強くキスをしてくれた。
「これで普通にドリンク飲めるでしょ? 」
「う、うん… 」
「私は、今ファーストキスをあんたにしたんだから責任取りなさい」
「責任ってどうしたら良いの? 」
「あんたが私をアイドルにふさわしい女の子に覚醒させてと言うこと。実はアイドルハイスクールというのは、7年前に出来て私は、3期生として5年前の10歳に入って最初の2年間は私が小学生と言うこともあって育成枠つまり一番傘下だったの」
次回、とんでもないことが明らかになる。