第12話「弱点と可愛さ」
「僕は、引き下がりません。確かにタイプは違うかもしれませんが、板野さんに教えて頂きたいと思っています」
「嫌なもんは嫌なんだよ!このクズ野郎が」
板野さんは、いきなり僕のお腹を右足であげて蹴ってこられて僕は、痛かったが右足を大きくあげた時に板野さんの魔法少女ものの可愛いキャラパン(キャラクターパンツの略)が見えてしまった時に僕は、こう確信した。
性格とか口調とかしてることは嫌だけど、魔法少女ものを履いてるということは、本来の姿は可愛い15歳の女の子なんだよ。
「嫌なのは分かりますが、別に殴られても叩かれても今みたいに蹴られても何されても構いません。なので教えてください。お願いします」
僕は、板野さんに気持ちを伝えるため土下座をした。
すると板野さんは、大きくため息をつきながらこう言った。
「あんたは、絶対おかしいだろ。先に言っておくけど私は、近いうちにアイドルを辞めるから」
「なぜですか? これから第2世代としてスタートしようとしているのに… 」
「私は、何度も前のクズプロデューサーから偉そうに警告を受けるし、回りのメンバーからは相手にされないし私自身アイドルに向いてなかったんだよ」
すると今度は、急に泣きはじめた。
「板野さんは、アイドルに向いてるよ」
「何、言ってるんだよ。私の弱点をついてからかうつもりなんだろ」
「それは違う。だって本当にアイドルに向いてない人なら自分からアイドルに向いてないとは言わないと思うし、ここで泣かずにむしろ他のメンバーや僕たちに敵意を向けると思うから。でも涙が出てくるということは、ほんとはアイドルに向いてるんだけど、まだその力と魅力を覚醒出来ていないだけだと僕は思うから一緒に頑張っていこう」
「上手く言葉をまとめてくるところを見ると頭は良さそうね。だけど私は、クズの奴らと続けるつもりなんてないから」
「僕は、唯と一緒にアイドルハイスクールの第2世代となるアイドルエッグの活動をしていきたいんだ」
僕が名前で呼んだことに素早く気づき顔を真っ赤にしながら僕の頬を強くビンタしてきた。
「何、勝手に名前で呼んでるんだよ!頭おかしいだろ」
「確かに僕は、クズだし頭もおかしいと思う。たとえ唯に殴られたり蹴られたり叩かれ続けたりして身体中血だらけになったとしても僕は、唯と一緒にアイドル活動をしていきたいんだ」
「昔のあつくるしいドラマの観すぎなんじゃない? それに私をなんだと思ってるわけ?先に言っておくけど私は、暴力女とかじゃないからね」
「分かってるよ。本当は、すごく可愛い女の子なんだよね」
「何、言ってるんだよ。これ以上変なこと言ったら100回蹴るわよ!事前に言っておくけど、私はイラッと来たらすぐ手を出してしまうし、口調も悪いけど、それでも良いなら歌の練習に付き合ってあげても良いわよ」
「ありがとう!それじゃよろしくね」
「あまりにもあんたがウルサイからな」