2月6日 ハグ
俺 「七海、来週から行くのか?」
七海「そうね。来週からだね」
七海は、来週から大学を見に行くため泊まりがけにいくらしい。
俺 「そっかぁ。どうだ、弟たちは?」
七海「楽しくやってるんじゃない?」
七海の弟である蒼大と雄大は、中学生の野球部。
俺 「蒼大は、聖徳いくの?」
七海「うん。野球やるって」
弟の蒼大は、とても野球部が上手いらし行く。
俺 「よかったんじゃない?」
七海「また、忙しくなるよ」
いつも二人の面倒は、七海が見ているだけに、大学進学も困っているだろう。
俺 「でも、ずっと野球やってほしいって言ってなかった?」
七海「うん。1年からレギュラー取りたいんだってさ」
蒼大は、野球の名門校からスカウトがたくさんきており、七海も迷っているらしい。
俺 「そっかぁ。すごいな」
七海「今は、そこまで強くないらしくて」
たしか、夏の大会は、ベスト8だった気がする。それなのに、どうしてだろう?
俺 「エースって、直江なの?」
七海「うん。直江と向井のバッテリー。4番が田中らしい」
直江は、俺の中学の後輩だ。
俺 「田中って、1年のやつ?」
七海「そうみたいね。蒼大が言うには上手らしい」
俺 「へぇ。1年で4番」
高校1年で4番なんて、すごいとしかいいようがない。しかも聖徳高校の野球部は、そこそこ強い。
七海「だね。でも、蒼大が入ればレギュラーとれるらしいよ」
俺 「誰情報なの?」
七海「野球部の情報かな」
それだけ上手いそう蒼大が他の高校に入らないなんて、もったいない。
俺 「そんなにすごいのか」
七海「わかんないけど、そのへんは」
だんだん別れが近くなってきた。勝手にそう感じた。
俺 「じゃあ、俺そろそろ行こうかな」
七海「もう行くの?」
七海の顔から笑顔が消える。
俺 「寂しいか?」
下の方に顔を伏せた。
七海「‥‥‥」
俺は、そっと七海の体を抱きしめた。七海の体は、とても冷たかった。
俺 「大丈夫。寂しくないよ」
七海の体は、少しずつ暖かくなってきた。
七海「うん‥‥」
俺 「すぐ連絡するし、また会いにくるよ」
七海「わかった」
俺は、七海の体をそっと抱きしめながら、空を見つめていた。甘酸っぱい香りが俺の身体中へと広がっていく。




