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4月17日 瞬間

 山本さんは、この前の伏阪が作った料理を認め新鮮な野菜は優先的に届けることを決めたのだった。もうすぐオープンということもあり、ここ最近はどんな食材にするのかに悩んでいた。


 山本「じゃあ、昨日は傑と話してたのか?」

 俺 「そうです」


 昨日のことなのに、もう随分前のことのように感じるな。これからも、こうやって目まぐるしく変わっていくのかな。


 山本「ちゃんとサッカーやってたか?」

 俺 「やってるんじゃないですかぁ」


 詳しいことは、聞いてないが傑のことだしちゃんとやってくれてるだろう。


 山本「お前もなんか打ち込めるやつ探せよ」

 俺 「何がいいですかね?」


 昨日、旭に言われてもう少しいろんなことに挑戦してみようかなと思った。それで、何か見つかるのかはわからないけど。


 山本「そうだなぁ、、、、、、、」

 俺 「なくないですか?」

 山本「お前は、すぐ飽きるから飽きないモノがいいな」


 飽きないモノなんてあるのだろうか?


 俺 「ないと思いますよ」

 山本「じゃあ、伏阪のところいけよ」

 俺 「え?」

 山本「お前、時間空いてるならそこで働けよ」

 俺 「えー、嫌ですよ」


 これまで、飲食店はあえてしてこなかったのに。わざわざ自分から行くなんてありえない。


 山本「嫌なのか?」

 俺 「嫌ですよ、そりゃあ」

 山本「なんでだよ?」

 俺 「だって、トラブル起きそうじゃないですかぁ」


 俺が飲食店が嫌な理由は、接客だった。

 

 山本「当たり前だろ、そんなもの」

 俺 「だから嫌なんですよ」

 山本「嫌でもやってみたらいいんじゃないか?」

 俺 「嫌でもですか?」

 山本「ああ。まずは、なんでもやってみなよ」


 まずは、なんでもやってみるのかぁ。難しいなぁ。簡単なようで難しいのは俺だけだろうか?


 俺 「わかりました」

 山本「よし、やるのか?」

 俺 「いや、まだやるかはわかりませんよ」

 山本「そこは、ちゃんとやれよ」

 俺 「まぁ、いろいろやってみますよ。それで合えばやりますよ」

 山本「相変わらずだな、お前は」

 俺 「ありがとうございます」


 気づけば、山本さんと俺は楽しみながら話をしていた。やっぱり、なんかしないとな。


 俺 「とりあえず、なんかしてみます」

 山本「ああ、それがいい」


 これからの生活が何か変わる気がした瞬間だった。

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