4月16日 自分の価値
俺 「じゃあ、GWに入ってすぐ合宿なのか?」
喜早「ああ。4泊3日だぜ?」
俺 「すげぇな、それは」
喜早「だろ?」
4泊もするなんて、大学生でも珍しいだろ。
俺 「相変わらずだな」
喜早「まぁ、ラスト1年だしな」
俺 「就職は、どうするんだよ?」
喜早「今のところは、何も考えてないよ」
俺 「まじかよ」
何も考えていないと言える旭が羨ましかった。
喜早「傑は、どうするんだ?」
俺 「俺かぁ、、、、、、、」
正直、これからのことは、まったく考えていなかった。なんだろうな、それどころじゃないって感じだ。
喜早「俺がサッカーしてる間に、お前も成長してるんだろ?」
俺 「してるかなー?」
喜早「してるだろ」
俺 「そうか?」
半信半疑だった。これまで、自分が成長しているなんて考えながら生きてこなかったし。
喜早「そうだよ。お前は、十分成長してるさ」
俺 「ちゃんとサッカーしてるお前に比べたら、俺なんか大したことねぇよ」
喜早「いやいや、俺の方がサッカーしかしてないからだめだぞ」
一つでもちゃんとできることがあるというのは素晴らしいことだ。俺には、到底できないと思ってしまう。
俺 「俺は、お前とは違う」
喜早「そんなことねぇよ。俺は、お前があの時止めてくれたから今があると思ってるんだよ」
俺 「最後も留まったのも、自分自身だろ?」
喜早「お前は、もっと俺の誇りであってくれよ」
誇り?俺がどう誇りなんだよ。ホコリちがいだろう。
俺 「そんなのやめてくれよ」
喜早「合宿前に、久しぶりにみんなで会わないか?」
俺 「え?」
旭は、楽しそうに話し始めた。
俺 「いつものメンバーか?」
喜早「ああ。それは、楽しそうだな」
俺 「最近、会ってなかっただろ?」
たしかに、会ってはないな。
喜早「じゃあ、会うか」
俺 「わかったよ」
喜早「よっしゃ。俺から連絡いれとくわ」
俺 「サンキュー」
アイツらと会うのは随分久しぶりだな。前全員会ったのって、2月くらいだろうか?
喜早「俺がお前に助けられたように、お前も俺らといることで助けられたらなと思うよ」
俺 「なんだよ、それ」
喜早「いや、お前は自分の価値がわかってないんだよな」
俺 「そうか?」
自分の価値ってなんだろうか?自分を問い直していた。




