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4月5日 田上麻衣美

 旭は、完全にチームの中心選手になっている様だった。俺は、旭たちの紅白戦を見ながらそう思っていた。旭がいる城南大学は、2月に行われた江南大学に負け、全国大会に出場することができず、新チームへと変わった。新キャプテンは、柴山春翔という選手らしい。今、旭はどんな気持ちで戦っているのだろうか?最近、旭にも会えていないからどんな感じかはわからない。ただ、怪我をした時みたいに、気持ちが沈んでなければいいんだけどな。俺が、今日このグラウンドに来ていたのは、この後旭と飲みに行くからだった。旭は、現時点で複数の会社からスカウトがきているらしい。怪我していた頃は、もう辞めようと言っていたのに。それが今はいろいろな会社からスカウトが来るほどだもんな。

 一方、俺は何をすればいいか途方に迷っていた。昨日、沢良宜と話をして紹介してもらった会社に行こうかな?沢良宜と話すのはとても楽しかった。とても美人なのに、気さくで飾らない。一緒にいてとても落ち着く存在だった。そんな沢良宜から紹介された会社が、まさか変だとは思わないけど。万が一あると思うと、一歩踏み出すのに勇気がいる。旭は、どこの企業に入るのかは、とても興味深かった。旭は、大きな声を出しながら指示を出していた。やっぱり中心人物なんだなと改めて確認させられる。


 田上「ごめん、待った?」

 俺 「いや、大丈夫」


 俺の前には、旭と同じ大学に通う"田上麻衣美"がやってきた。


 田上「旭、もう少し時間かかりそうだから、先行こうよ」

 俺 「うーん、、、、、、、。そうするか?」

 

 田上は、ゆっくりうなずいた。


 田上「絶対、旭時間かかるよ」

 俺 「そうなの?」

 田上「うん、いつも19時くらいまでいるよ」


 そんな遅くまでしてるんだ。俺は、腰を上げ歩き出した


 俺 「麻衣美は、部活してたの?」

 田上「そうそう。もーつかれたよ」

 俺 「そんなに頑張ったの?」

 田上「ちゃんとやらなきゃ、怒られるから」


 麻衣美は、バスケットボール部に入っていた。


 俺 「真面目だな」

 田上「それなのに、試合出てないんだよね」

 俺 「えっ、試合出てないの?」

 田上「みんな上手いからね」


 やっぱり、大学の部活は一筋縄ではいかないのか。俺は、陸上を辞めてから誰かの頑張りを見るしかなかった。みんなが眩しくあり、自分だけ置いていかれている感があった。

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