4月1日 インターン
新年度が始まった。と言っても、まだ大学の授業が始まってないから実感は湧かないんだけど。俺は、大学の図書館でインターンを調べていた。とりあえず、何かやってみようと思い、いくつかの会社を検索していた。すると、この前話していた
先生「これでいい?」
俺 「ありがとうございます」
プリントアウトして、インターンの要件などが記載されているプリントを持ってきてくれた。
先生「また、何かあったらいつでも言って」
俺 「こういうのって、どれくらいの人がしてますか?」
自分の現在地がどれくらいなのか知りたかった。
先生「大体学年の3割くらいはしてるかな」
俺 「そうなんですね」
まったく知らなかった。まさか、3割の人が就職に向けて既に動き始めている人がいるなんて。
先生「気になるの?」
俺 「まぁ、それなりに」
他の奴ができるとは認めたくなかった。
先生「あなたは、まだ3年だからここからよ」
俺 「そうですよね」
あんまり焦っても仕方がない。
先生「進路心配になってるの?」
俺 「進路というか人生にですね。ハハハ」
うっかり、口が滑ってしまった。
先生「そうなのね。困ったら、いつでもここに来てくれたら相手してあげるよ。北條くん」
俺 「え、、、、、、。なんで、名前知ってるんですか?」
どういうこと?俺は、相手の先生の名札を見た。名字は、沢良宜。知らないな。
先生「だって、君有名人じゃない」
俺 「どういうことですか?」
なんで、有名人なのか。全然わからない。
先生「私も、昔陸上してたのよ」
俺 「えっ、そうなんですか」
そっかぁ。陸上してたら、俺のことは知っているのかもしれない。
先生「うん。まだ、あなたの2つ上だよ」
俺 「俺が走ってるの見たことあるんですか?」
二つ上ってことは、俺が高1の時、高3ってことか。
先生「うん。あなたの彼女もね。フフフ」
俺 「そうだったんですね」
胸がドキッとしてしまった。まさかの彼女を知ってるなんて。
先生「ここだったら、いろいろ言われそうだから、またどこかで話そっか」
俺 「あっ、はい」
先生「じゃあね」
"後ろの人、どうぞ"。先生の声とともに、俺は後ろの人に変わった。何かよくない扉を開けてしまったような気がしたのだった。




