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3月30日 変化

 目の前には、夕暮れの街並みに、ひとりの男が静かに向かってくる。黒色のスーツに身を包んでいた。そして、片手には煙草。もう仕事が終わったんだろう。本来、歩きタバコはよくないんだろうけど。まぁ、ストレスの発散のためだろう。タバコの煙を吹きながら、ゆったりと歩いていた。スーツを来た男性は、この世に何か絶望しているようで、何もかにも諦めているように感じた。そんな男性とは異なるように、俺は、何か求めるかのように、街の中心部を縦横無尽に進んでいく。ここら辺は、高層ビルがそびえ立つ。いろんなものがたくさんある代わりに、どれ一つ手に入れれないような気がしていた。

 旭の話を聞いていくと、4月4日に練習試合があり、全国優勝した青堂学院大学がやってくるらしい。俺は、歩くのをやめスマホのネット記事を見ていた。4年生が引退したものの、エースだった谷沢、GKの小谷は3年生のため4月以降も残る。そんな大学と旭は、やるということか。4得点なんて、現実的にかなり難しいんだろうな。とりあえず、その日は大学に行って、様子を見るしかなかった。

 旭の試合がどうなるかはわからないけど、思いは伝わった。人々の声が響き渡る中、自分自身を見つけることができないかともがいていた。ただ、自分は何を頑張ればいいかがわからない。旭が言っていた陸上は、少し現実味がない。かといって、インターンってキャラでもないしな。みんなと騒いで遊んでいるのが一番自分には合ってる。けど、それじゃあダメなんだ。今までの自分と変わらない。せっかく、旭に言われたんだ。自分で何か踏み出さないと。旭も、最初はサッカーを諦めていた。しかし、いろんな葛藤を抱える中で、再び戻ることにした。そこに至るまでは、本当に様々な苦しみがあったんだと思う。

 もしかしたら、俺も変われるのかな?ふと目を上げた先に映る美しい夕焼け空が俺の心を支えてくれる。オレンジ色に染まった雲が、太陽の光を受けて輝いているようだった。変わるなんて簡単なことじゃない。けど、毎日何をするかの積み重ねで一年先に変わっていると思う。それをするためには、、、、、。俺は、再び歩き始めた。時折、通りがかる人々がどんなことを考えているのか気になる。この人たちも、俺たち同じ様に迷っているのかな?苦しんでいるのかな?もうすぐ、日が沈む頃だ。変化をすれば、孤独を感じることもあるだろうけど、それも仕方がない。割り切らないと。

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