表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/72

2月3日 ゼミ

 少しずつ春の気配が感じる朝であった。俺は、F棟という大学の建物の中に入っていた。今日は、大石ゼミの初回授業だった。俺以外に、7人程の学生が椅子に座っていた。一番後ろの席が空いていたので、そこに荷物を置き腰をかけた。すると、後ろから、気配を感じた。

 そこにいたのは、黒髪姿の女の子だった。髪の毛は、ちょうど胸近くまで伸びている。まるで、フォンデュで流れるチョコレートのような髪だった。耳にはピアスを空け、体に小さなカバンをみにまとっていた。優しそうな顔立ちで目はパッチリ開いていた。


 女の子「北條さんですか?」


 小さい声ということもあり、よく聞き取れなかった?


 俺  「ん?」

 女の子「北條さんですよね」  


 女の子は、確信したように聞いてきた。


 俺  「うん。誰?」


 すぐに聞き返した。


 女の子「覚えてないですか?」

 俺  「いや、全く」


 こんな子いたかな?


 女の子「えぇ、ひどいですよ」

 俺  「て言われてもわかんないしな」


 見た目通り、カジュアルな話し方だ。


 女の子「じゃあ、ヒント出しましょうか?」

 俺  「うん」

 女の子「ヒントは、3年生です」


 3年生か。でも、敬語を使ってるし、どういうことだろう?


 俺  「うーん?」

 女の子「まだ、わからないですか?」

 俺  「わからないな」

 女の子「じゃあ、後で話すんで名前思い出してください」


 ちょうど、話を始めた時、大石先生が入ってきた。俺たちは、話をやめた。先ほどの女の子は、俺の斜め前に座った。あんな子、会ったことあるだろうか?俺はよくわからないでいた。大石先生は、挨拶をするなり、プリントを配り始めた。

 ここは、経済学部のゼミだ。前から、回ってきたプリントを読んでいると、3月にゼミ合宿を行うということが書いてあった。これに行くと、まためんどくさいことが起きる予感がしていた。

 このゼミは、2、3年生合わせても10人程度。だから、周らの奴らもなんとなく名前はわかる。でも、斜め前にいる女の子の名前だけはどうしてもわからなかった。大石先生は

パソコンを今から、取りに行くため、その間にゼミの出欠を考えるように指示された。しかし、そんなことはおかまいなしに、さっきの続きについて話しかけてきた。


 女の子「思い出した?」

 俺  「わからないな。ホントに知り合いなの?」

 女の子「知り合いだよ。失礼だな」

 俺  「だって、わからないし」


 その後、聞かされた名前は、あまりにも衝撃的で驚いてしまっていた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ