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3月28日 陸上

 今日は、朝から旭と話をしていた。旭は、次に向けて始動しているのに自分は、、、、、、。考えれば考えるほど、自分がどうすればいいのかわからない。けど、今の自分ではよくないことはわかっていた。


 俺 「どう、順調か?」  


 旭に会うと、毎回聞いているような気がした。


 旭 「まぁ、それなりにな」


 脚には、サポーターが巻かれている。相当、練習していることがわかる。


 俺 「練習してるのか?」

 旭 「もう、最終学年になるしな」


 次は、春の大会だろうか?旭には、最終学年として有終の美を飾ってほしかった。


 俺 「早いよな、ホントに」

 旭 「そうだよな」


 毎回会うと変わってる旭に対して、自分はその様子を見つめているだけなような気がする。


 俺 「お前も後1年」

 旭 「俺、副キャプテンなったからな」

 俺 「まじで?」

 旭 「ああ」


 副キャプテンか。そりゃあ、大変だ。昨年までは、3年生ながら試合に出ていて、今年は副キャプテン。毎年変化してるな。


 俺 「それは、やるしかないな」

 旭 「だろ?」


 昨年以上に気合いが入っていた。怪我さえしなければいいんだけどな。


 俺 「うん。結果出すしかないやつだな」

 旭 「絶対、全国行くから」


 全国にいけなかったことをバネに、なんとか頑張って欲しいな。


 俺 「凄い自信だな」

 旭 「負けた悔しさは、忘れられないからな」

 俺 「あの試合な」


 俺もテレビで見ていたからわかる。悔しさの残る試合だった。


 旭 「そう言えば、傑の怪我はもう治ったのか?」

 俺 「ああ。怪我はな」


 怪我は、完治してると思う。


 旭 「もう一度、やる気はないのか?」

 俺 「やる気って、何を?」

 旭 「陸上だよ」

 俺 「陸上なんてもう無理だよ」


 あの日、俺の陸上人生は終わったんだ。


 旭 「そう?別に陸上じゃなくてもいいけど、なんかもう一度本気になってやれよ」

 俺 「そう思えるやつがあればいいんだけど」

 旭 「じゃあ、陸上だな」

 俺 「無理だって」


 自分が陸上をやれるイメージがない。


 旭 「そんなことねぇよ」

 俺 「いやいや」

 旭 「俺だってそうだった。お前なら、絶対できる。やれよ、傑!!」


 旭は、自信に満ち溢れていて、頷くしかなかった。そう言ってもらえるのは嬉しいけど。やれる自信はないな。

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