3月23日 高校時代26
俺は、いつものように話を聞いていた。相変わらず、面倒な客だ。もっと理解を示してくれよ。つい、イラッとしてしまう。
ー3年前 11月5日ー
救急車の中は、緊迫した空気に包まれていた。俺は、驚いている。あれくらいのケンカでこんなことになるなんて。サイレンがけたたましく鳴り響き、救急隊員たちが慌ただしく動いている。俺は、担架の上に横たわりながら、隊員を見ていた。救急隊員は、2名。一人は、連絡を取る人。もう一人は、俺の手当をしてくれる人。そんな感じだろうか?
俺の脈拍と血圧をチェックしタブレットに記入する。そして、酸素マスクを装着された。酸素マスクってこんな感じだっけな?俺は、よくわからず身動きすらとれなかった。「あと、5分程で病院に着きますね」。俺は、酸素マスクをしているため、頷くことしかできない。救急車の中は、静寂に包まれていた。あまりにも静かなので、外の音も丸聞こえだ。
救急隊員は、俺の方を見ながら、もうすぐ着きますけど、痛いとこないですか?痛いところしかないとツッコミたくなってしまった。俺は、青年に殴られた衝撃より、蹴られた衝撃の方が強かった。蹴られた瞬間、俺は、立てなくなってしまったのだ。また、来週から走らないといけないのに。めんどくさいことしてくれるな、ホントに。俺は、右脚を抑えながら救急車に乗っていた。
来週は、たしかアップダウンの激しいコースに行くって言ってなかったけな。どこの大学に行くかは完全に決まってなかったけど、大学でも陸上を続けることは決めていた。だからこそ、高校の今でも練習を行っていたのだ。「駐車場に入ります」とアナウンスが流れた。ようやくか。ほっと息を撫で下ろした。車が止まり、救急隊員たちは、俺を担架のまま運んでいく。どこに行くのだろうか?楽しみと不安が混ざり合っていた。医師と看護師たちは、何かを話し合っている。なんだろうか?おそらく、俺の容態を確認しているのだろうか?北條さん!ハッと目を開ける。今から、少治療を始めますね。頷くしかできなかった。
ここで、嫌ですとか言えるのだろうか?俺は、よくわからないでいた。今度は、集中治療室に搬送された。ここって、危険な人がいく場所じゃなかったっけな?俺はいつの間にか不安になっていた。今のままだと、足がよくないので手当てしていきますね。もし、何か気になることあったら、ここを叩いてください。看護師は、叩くところを示した。
 




