3月20日 高校時代23
今日は、カラオケの方の給料日だった。あまりの少なさに俺は苛立ちを隠せなかった。俺は、これだけの額のために働いていたのか?そう思うと、とてもなさけなかった。ATMの扉を閉めて、友だちのところへ向かうのだった。
ー3年前 11月5日ー
井端が予約した店は、「肉king」というところだった。俺たちの決勝戦が終わった後、すぐに電話してくれて予約をしてくれたみたいだ。本当に行動が早い男だ。
俺 「いったことある店?」
脇谷「いや、俺はないな。井端あるの?」
井端「いや、俺もねぇよ」
脇谷「ない店予約するなよ」
井端「初めてでいいじゃないか。ハハハ」
高らかに笑っていた。
俺 「誰か行ったことある?」
後ろの方を振り返った。
松本「ないよ」
山瀬「俺も」
すると、その横にいた眞田が反応した。
眞田「何の話?」
コイツは、話すら聞いていないみたいだ。
脇谷「店の話だよ」
眞田「なんて言う店行くの?」
脇谷「肉kingっていうところ」
これで、二度目だ。全然話を聞かないやつばかりだ。
眞田「知らねぇな」
嶺井「俺、知ってるぞ」
俺 「知ってんのか?」
嶺井は頷いた。どんな店なのだろうか?
嶺井「ああ」
俺 「美味いか?」
嶺井「俺は、行ってないよ」
脇谷「言ってないのかよ」
思わず、横にいた脇谷がツッコンでしまった。
嶺井「でも、興梠は行ったことあるんじゃないか?」
興梠「ん?」
俺たちの注目は一斉に興梠へと。
脇谷「肉king行ったことあるか?」
興梠「あるよ」
まさかの回答だった。
俺 「美味いか?」
俺たちは、興味深々だった。
興梠「美味しいよ。値段もリーズナブルだし」
脇谷「テンション上がってきた」
俺 「わかるな」
井端は、間もなく着くことを教えてくれた。
脇谷「よっしゃ。めっちゃ食べよ」
俺 「わかる」
脇谷「俺、払わなくていいしな」
憎たらしいけど、脇谷の言う通りだ。あそこで勝てば俺が奢ってもらえたのに。
俺 「それは、最高やな」
脇谷「まぁ、勝ったしな」
俺 「それは、そうやな」
俺たちは、足を止め、店の前まで来たのだった。
井端「じゃあ、入るよ」
脇谷「おっけー」
俺たち7人は、店の中に入ろうとしたのだった。




