3月16日 高校時代19
今日は、眠たくて起きるのが億劫だった。このままベットにいて、バイトに行きたくなかった。
ー3年前 11月5日ー
俺たちがいるスタート地点には、松本、山瀬が座っていた。そして、ゴール地点には、嶺井、眞田が。それぞれが俺たちのスタートを見守ってくれていた。俺は、ゆっくり腰を下ろした。そして、うつ伏せになり、手を顎の下に置く。松本が鳴らす合図を待った。ここまで来たら勝つしかない。
松本「じゃあ、そろそろいくぜ」
山瀬「脇谷、いくぞー」
松本、山瀬は完全に煽っていた。
脇谷「任せろ、俺が勝つから」
井端「なんで?お前は負けろ」
少し距離を空けた両サイドから声が聞こえてくる。
俺 「お前らうるさいぞ。俺が勝つんだから黙っとけ」
脇谷「じゃあ、お前こっちの旗取りにこいよ」
まさかの挑戦状だ。
俺 「行ったらお前負けるけどいいのか?」
脇谷「大丈夫。俺が勝つから」
さっきまで松本と山瀬の煽りだったが、今度は俺たち自信で煽りあっていた。
松本「じゃあ、残り20秒の間でいくぞ」
俺は、井端の方にある旗を取ることに決めた。20秒か。どこで鳴るだろうか?スタートダッシュで勝てれば絶対いける。それだけ自信はあった。だから、一か八かで飛び出すことに決めた。俺は、スタートの音ともに動き出す。自分の中でカウントダウンをし始めた。5.4.3.2.1。ゴー!!タイミングよく大きな音がグラウンドに鳴り響いた。俺に遅れて、3人がスタートラインから走り出した。松本、山瀬がスタートラインから声を出す。ゴール地点にいる嶺井、眞田は、息を呑むように見ている。スタートダッシュに成功した俺は、どんどん加速させていく。後ろから、井端が猛スピードで来るのがわかる。俺も負けじと必死に走っていく。必死に井端が食らいついてくるが、この距離が縮まらなければいける。本当にあっという間だった。こんなに短かったかな?と思うくらいだった。フィニッシュラインに到達した俺は、少し腰を落とし旗をとり駆け抜けた。嶺井は、俺の方を見ながら大きな拍手をしてくれたのだった。負けた、井端は納得がいっていないみたい。一方、俺の横の方の旗は、脇谷がきっちり取って勝ったみたいだった。脇谷は、俺ほどスタートダッシュがよかったわけではないのに、ゴール地点にはほぼ同時くらいに来ていた。彼の圧倒的な走りに俺は驚いていた。
 




