3月14日 高校時代17
俺は、シャワーを浴びて、服を着替えた。今日は、大学の履修登録で学校に行かなければならなかった。前、一度登録はしていたので確認程度なのだが、万が一できていなかったら、卒業すらできなくなってしまうのだ。
ー3年前 11月5日ー
俺は、再び狙いを定めることにした。俺は、一番右。狙うは、ピンクしかない。しかし、これはあくまでもセオリー通りの話だ。俺の中では、速くスタートが切れたら、ピンクの横にある緑も選択肢に入っていた。俺の横が、松本。松本の左が興梠。この二人より速く抜け出せたら、狙いを変えるということもある。
10、俺はうつ伏せになって野球グラウンドを見つめた。9、もう、誰もいないみたいだ。8、必ずフラッグをとって焼肉を奢ってもらう。7、もうお腹がペコペコだ。6、どこの焼肉がいいのだろうか?5、カルビも食べたいしハラミも食べたい。4、完全に焼肉の口になってしまった。3、必ず勝つ。2、いける。1、絶対に。山瀬の掛け声とともに、俺たちは走り出した。
俺のスタートは完璧だった。松本、興梠より1歩リードしていた。この状況だと、緑のフラッグもとることは可能だ。でも、それでいいのだろうか?Outsiderをつけたのは、眞田だ。あいつの性格からして、端には置かないと思っていた。それが俺の考え。だから、あえて不利な右を選んだのだ。しかし、緑も狙えるというこの状況になると、迷ってしまう。人生は、こういうものなのだろうか。
あるものには、何も感じずないものが欲しくなる。俺は、迷ったあげく、そのままピンクのフラッグにダイブしてとったのだ。俺がフラッグをとったころには、左から大きな声が聞こえてくる。どうやら、フラッグをとったのは、井端、脇谷、興梠、松本、俺の5人だった。しかし、この中にOutsiderが隠れている。眞田が俺の方に近づいてくる。もしかして、、、、、。俺は、フラッグの後ろを確認した。しかし、そこには何も書かれていない。ということは。
眞田は、松本の目の前に立った。松本は、悔しそうにフラッグを投げ捨てた。どうやら、Outsiderは、松本の様子だった。他のフラッグをとった井端、脇谷、興梠は笑っていた。フラッグすら取れなかったのは、嶺井だった。嶺井は、もう悔しいという感情もない様だった。俺は、なんとか生き残ったことを喜んでいた。これで、残るは4人。俺は、焼肉まで後2勝と迫っている。




