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3月11日 高校時代14

 俺は、シャワーを浴びながらこれからのことを考えていた。この何もしない時間はいつも無駄だと思っていた。シャワーを浴びていると、いつも高校時代を思いしてしまう。こんなことになるなら、高校時代に戻ってあの怪我が起こらないようにしたい。そうすれば、今とは全然違った人生になっただろうし、今でも走っていると思う。もしかしたら、社会人でも?と思うくらいだろう。


 ー3年前 11月5日ー


 あちこちから、俺たちがいるグラウンドを眺めている。やっぱり、こんな時間にアホなことをしていたら目立つだろうな。俺は、真ん中の位置になるので、旗の位置を確認する。俺の真っ直ぐ行った先には、黒色の旗がある。気になるな。あの旗は。どの旗がハズレなのか知っているのは、脇谷のみだ。その脇谷もハズレのフラッグはわかっても、走り出す位置は決められない。

 俺は、どの旗を取りに行くか迷っていた。旗は、左から赤、青、黄、白、黒、緑、ピンク。俺たちは、左から、脇谷、松本、井端、興梠、俺、山瀬、嶺井、眞田という順で並んでいる。黒を避けるなら、白かピンクになる。しかし、その二つもハズレの可能性があるし、興梠と山瀬がいる。チーム戦でなくなった今、興梠も山瀬も真っ向勝負できるが、アイツらも遅くない。走り出す時には、全て決めていたいというのが本音だった。

 俺は、やっぱり黒にすることに決めた。心の中で必ず取ると誓いを立てた。そんな俺と同じく、誓いを立てていそうなのが横にいた山瀬だった。野球部を引退した山瀬だったが、毎日8kmのランニングのトレーニングをかかさず行い、身体能力を高めるために山を駆け上がり、筋肉を鍛えることもあった。俺は、ゆっくり腰を下ろして、うつ伏せになり、顎の辺りに、

 脇谷が声を出した。"じゃあ、今からタイマーかけます。10秒になります。録画もしているので、フライングもバレるので気をつけてね"。脇谷の声とともに、大きな返事が聞こえてきた。"じゃあ、押します!!"俺は、脇谷の声とともに、頭の中でカウントダウンを始めた。

 10、息を大きく吐いた。9、横をチラリ。8、左には、興梠。7、右に山瀬。6、顎を甲の上にのせる。5、目の前の野球グラウンドを見つめる。4、いけるぞ。3、心の中でカウントダウンが始まった。2、しゃー。1、いくぞー!!!。心の中で叫びながら勢いよく走り始めた。

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