表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
41/75

3月10日 高校時代13

 今日は、友だちと酒を飲んでいた。つい最近も浴びるほど飲んでいた。自分の食生活の怠慢さにも嫌気がさしている頃だった。俺は、酒を飲みながら、明日のスケジュールをスマホでチェックする。どうやら、明日はバイトが入っているみたいだった。めんどくさいな。農園のバイトではなく飲食店のバイトだから、ちゃんとしないと確実にキレられる。しかし、このペースで飲んでるとこのまま酔い潰れることは目に見えていた。俺は、一旦、トイレに行き、酔いを覚ますことにした。ゆっくり立ち上がり、トイレへと向かう。どうやら、この店のトイレは、だいぶ奥にあるみたいだ。酔っている状態で、この距離を歩くのはキツイ。なんとか、トイレに辿りついた時、目の前には、よく見たことのある顔が見えた。


 ー3年前 11月5日ー


 俺たちが話していると山瀬が合流し、全員が揃ったのだ。脇谷が全員に説明し、いよいよビーチフラッグが始まろうとしていた。山瀬が持ってきたのは、とてもカラフルなビーチフラッグたちだった。こんなのどこにあるんだよと思うくらいだ。

 フラッグは、嶺井が立てていく。その風景は、まるで静かなグラウンドに包まれた光ののような旗だった。旗は、左から、赤、青、黄、緑、黒、白、ピンクの7つが並べられた。最初は、なぜ、7つあるのか不思議だった。しかし、山瀬が言うには、この中に特別な一本があるらしい。その一本は、とったことにはならないというなんともおかしなルールを作ってきやがったのだ。

 どうやら、その特別なフラッグには、鮮やかなグリーンの色で、中央には白い文字が書かれているそうだ。その文字こそが「Outsider」。脇谷が考えそうなルールだなと心の中でつぶやいた。俺たちが寮の前で騒がしくしているものだから、人が集まってきているのがわかった。こりゃあ、早くして終わらないとな。めんどくさいことになる気がしていたのだった。脇谷を呼び止めた。


 俺 「早く始めようぜ」

 脇谷「おっけい。じゃあ、ジャンケン始めるぞ」


 みんなは頷き、大きな声が響き渡った。ジャンケンの結果、並ぶ位置が決まった。左から、脇谷、松本、井端、興梠、俺、山瀬、嶺井、眞田ということになった。フラッグ自体は、7本あるから多分とれる。だが、とったフラッグがOutsiderの可能性があるからなんとも言い難い。俺は、フラッグの位置を確認しながら、走る準備を始めた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ