1月31日 ボルダリング
すげぇ。ここがボルダリング場かぁ。施設の大きさに圧倒されていた。ここまで大きい施設は、県内ではあまりないんでは?ワクワクがとまらない。しかし、、、、
俺 「藤田さん、何してんの?」
藤田「なんか、隼斗が寝坊してて」
俺の心とは裏腹に、藤田の機嫌が悪い。
俺 「まじか。ハハハ」
藤田「こういう時に遅れるとか、意味わかんない」
スマホをいじりながら、俺に話してくる。
俺 「昨日も大学遅かったんじゃないの?」
藤田「んー、わかんない。昼、一緒にいたんじゃないの?」
隼斗の苛立ちを俺に向けようとしてくる。それだけは、迷惑だ。
俺 「いたよ。でも、15時頃には、解散してたから、その後、何してるかはわからんな」
藤田「あぁ、ホントに腹立つ」
スマホをポケットにしまいんだ。
俺 「そんな怒んなよ」
藤田「んー」
俺 「どっか、違うところでも行くか?」
どこかで時間を潰して、隼斗のことは忘れさせよう。
藤田「そうね。どこ連れてってくれるの?」
俺 「行きたいところあるの?」
藤田「じゃあ、晴海のところ行こうよ」
俺 「なんで、アイツなんだよ」
清原晴海。藤田の友だちで、小中と俺は同じ学校だった。
藤田「だって、どこでもいいって言ったでしょ」
俺 「言ったけど、、、」
さっきまで庇っていた隼斗に苛立ちを俺も覚えた。
藤田「じゃあ、行こ」
俺 「アイツ、どこいるの?」
藤田「今日は、バイトしてるよ」
藤田は、一歩、二歩と歩き出した。
俺 「どこでバイトしてる?」
藤田「コンビニ」
俺 「そうなんだ、、、。えっ、今からコンビニ行くの?」
藤田「うん、ダメ?」
歩いてた足を止め、俺の方をふりかえった。
俺 「ここから、近くなの?」
藤田「いや、遠い」
俺 「じゃあ、ボルダリングどうする?」
藤田「また、今度やね」
さっきまでのワクワクが一気になくなった。
俺 「隼斗は?」
藤田「今日は、いいでしょ」
まさかの一言。こんなんで、隼斗は大丈夫なのか?
俺 「じゃあ、今日は解散する?」
藤田「なんで、そうなんのよ。今日は、私に付き合ってくれるんでしょ?」
俺 「まじで?」
これは、完全に藤田のペースになってしまっていた。
藤田「うん。じゃあ、まずは晴海のとこ行こう」
結局、施設の中には、入らずコンビニを目指して、歩き始めた。




