表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
23/75

2月20日 現実

 とりあえず、留学の具体的なことに関しては、お金を稼いでから考えることにした。そしてお金を稼ぐためにも、新しいバイトを探すことにした。俺は、バイト一覧になった雑誌を眺めていると、ジュースを買ってきた旭が笑っていた。


 俺 「どのバイトがいいと思う?」

 旭 「そうだな?」


 俺が渡したバイト雑誌をパラパラまくっていた。


 俺 「難しいよね」

 旭 「今は、農園だから、飲食店とかはどう?」


 パラパラめくっていた手を止めて、話し始めた。


 俺 「飲食店かぁ。向いてるかな?」

 旭 「そうだな。傑ならなんでもできるんじゃないか?」


 あんなにテレビで出て活躍している旭だが、そんな自分をさしおいて、いつも評価してくれていた。


 俺 「ホント?」


 手にとっていたバイト雑誌を置いた。


 旭 「うん。接客業とかなんでもできそう」


 接客業かぁ。あんま考えたことなかったな。


 俺 「なんか、嬉しいな」

 旭 「そう?」


 旭は、首をかしげながら、バイト雑誌を丸め出した。


 俺 「ああ。自信つくわ」


 久しぶりに褒められている気がした。


 旭 「なんで?」

 俺 「そりゃあ、サッカー上手い旭に言われたらな」


 あの日、テレビに映る旭は、誰よりも輝いていた。


 旭 「サッカーなんてお金にならないからね」

 俺 「でも、いい会社に入れるんじゃないの?」


 あれだけの活躍が続いたら、社会人のサッカーチームからもオファーがくるんじゃないかと勝手に思っていた。


 旭 「そんなことねぇよ。俺だって、来年はちまなこになって会社探していると思うぜ」


 全然、想像できない。


 俺 「そうか?旭だったら余裕そうだぜ」

 旭 「全然だよ。それこそ、新チームになっても、試合に出れるかわからねぇしな」


 あの旭でも、新しいチームになったら、またレギュラー争いからスタートなのか。サッカーも簡単じゃねぇんだな。


 俺 「あんだけ活躍してたのに?」

 旭 「あの時は、たまたまだよ」


 丸めたバイト雑誌で太ももを叩き出した。


 俺 「えー、まじで?」

 旭 「うん。俺よりも大屋や柴山の方が上手いし」


 大屋は、FWの選手。柴山は、途中で怪我をして、ピッチから離れていた選手かぁ、、、。


 俺 「そうなんだ。全然わからんかった」


 旭の話を聞いていると、少しずつサッカーの難しさを感じた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ