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2月15日 東京予選Ⅶ

 俺は、コートを着て、山本さんのところへ来ていた。今日は、野菜中心に収穫を行っていた。できるだけ傷つけないようにと、細心の注意を払った。


 ー2月9日ー


 旭の3得点目が決まってから、試合は、膠着状態だった。後半32分。江南大学は、守備時にはあまり相手にボールを回す隙を与えなかった。そして、ボールをすぐさま他の選手に渡す。城南大学の選手もこの戦法に慣れてきた様子だった。

 ボールを持った野地は、中盤へとパスを出す。そこにつけいれるかのように、城南大学の前線選手によるハイプレスが押し寄せた。だが、これは罠だった。ボールをとりにきた選手と同様に走り出した選手がいた。

 あれは、江南大学の佐藤だった。足を出して、野地へとパスが戻る。パスを受け取った野地は、ワンタッチでロングボールで左サイドへと蹴り上げた。左サイドには、船木が走っていた。船木の場所は、ガラ空きだ。そのまま、ドリブルをして、前へと進む。ようやく、畑川が来たと思ったら、いきなりセンタリングを上げた。

 危ない!!ボールが上がった位置には、エース緑山、司令塔の高鳥がいた。しかし、城南大学のDF陣、田上、橋本、中釜がマークについていたこともあり、ボールはクリアされた。クリアしたボールは、城南大学の畑川が拾う。そして、畑川から外山へボールがつながれようとした。

 しかし、そこを野地がカットした。俺は、テレビ画面奥に潜む緑山の位置を見てゾッとしてしまった。野地は、すぐさま船木に渡すと、ワンタッチで画面奥の男にボールが渡ってしまった。

 緑山は、完全にフリーだ。彼の近くから、ゴールまでは、かなりスペースがある。ドリブルでもシュートでも何でもできそうだ。俺は、ボールをもった彼を画面越しに見つめた。緑山は、ゴールから30mほどの位置だったが、思い切り蹴り上げて、シュートを打った。ここから、打つのか。驚きを隠せなかった。超ロングシュートだ。

 そして、次の瞬間、ゴールネットが揺れていた。一瞬のことで、俺も何が起きたかわかっていなかった。解説者とともにさっきのハイライトシーンを見ていた。解説者が言うには、緑山は、ボールの下の方を蹴り、バック回転をかけたみたいだ。そして、そのシュートは一直線にゴールの左上へと目がけて飛んでいく。キーパーの金子は、何もできず仁王立ちだった。ゴールを確信した緑山は、蹴った瞬間から、右手の人差し指を上げていた。

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