2月14日 東京予選Ⅵ
今日は、バレンタインデーということもあり、昼から七海に会うことになっていた。俺は、集合場所の駅に向かっていた。七海に会うのも、約一週間ぶりかぁ。そんな会ってないわけでもなかったが、どこか懐かしさを感じていた。もう、七海も一人暮らしも慣れてきたころじゃないのか。そんなことを考えていた。
ー2月9日ー
後半10分が過ぎた。試合は、2対2。ここから、どういう試合展開になるだろうか?ボールは、城南大学でリスタートした。田川から早崎へ。早崎は、斜め前にいた、外山にパスを出す。かなり高い位置で張っていた外山は一旦下がって足元でボールを受けた。しかし、彼にボールが渡るまでに味方がパスコースをついに塞がれてしまう。
それを見かねて、久保が外山の近くまでやってくる。ボールを受け取った久保は、ドリブル突破で江南大学の選手を抜いていく。そして、次の選手が来ると、旭へパスを出した。パスを受け取った旭は、ワンタッチで再び、久保へボールを戻す。そして、サイドチェンジをするために、ロングボールを入れた。左に走っていた坂和へとボールが通る。
サイドチェンジをしたこともあり、江南大学の選手が少ない。大屋、旭にマークが張り付いており、坂和へのマークが少ない。坂和は、どんどんゴール前へドリブルをしていく。しきることができない。
すると、野地が坂和を止めにかかろうと大屋からマークを外した。坂和は、大屋のマークが外れていることに気づきパスを出した。ボールを受け取った大屋だったが、山田、桜井と二人がかりで止めにかかった。
しかし、それを読んでいた大屋は、すぐさま真ん中に走り込んだ久保へとボールを入れる。やはり、久保もその狙いも察知していたのだろう。久保は、迷いなく、ペナルティエリア内に城南大学の選手が走り込めるスペースが生まれていることに気がついた。
そして、そこにいたのは三度目の旭だった。まるで、ここにパスが来るのをわかっていたように絶妙なスルーパスが送られた。ボールがきた旭は、そのまま流し込みゴールをこじ開けた。城南大学は、再び歓喜の輪が出てきていた。柴山がいない中でのこの点差は、想定していなかったはずだろう。
この1点は、この試合を決める一撃となった。それからというと、江南大学は、シュートを狙いにいくもなかなかゴールが入らない。焦りもあり、10人体制の城南大学に劣勢の試合展開を強いられた。そして、後半30分を迎えた。




