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ALIVE NOTE for spin-off version 改  作者: 夜美神威
1/1

第1話 希望

ここに幸せなかつごく一般的な家庭がある

主の名は「青山修平」

1981年生まれ

中小企業ピースカンパニーに努める

サラリーマン

役職は課長で同僚からも好かれる好青年だ


彼の妻の名は亜希子

1981年生まれ

明朗快活な女性

息子を妊娠出産で糖尿病になり

節制で苦しんでいる

修平とは幼馴染で小中高大学まで一緒


結婚する前は同じピースカンパニーに

勤めていた


その二人の子供の名は「亜美と翼」

亜美は小学3年生の女の子

おてんばで学校のクラスではムードメーカー

一番のお気に入りはお笑い番組

将来はお笑い芸人になりたいと思っている


翼は5歳の幼稚園児

サッカーが大好きな男の子

お姉ちゃんと遊ぶのが楽しくて仕方ない


ジリリリリリ

目覚ましの音がけたたましくなる

今日も一日の始まり

亜希子が居なくなってから朝が来るのが苦痛で仕方なかった

亜希子が居ない生活が辛い

でも忘れ形見の二人の子供は今日も元気だ


「パパぁ~」

亜美が元気よく私の寝室に入ってくる

ドン

「イタタタタ」

ついで翼が寂しそうに入ってくる

「パパ!いつになったらオンラインジャーのショーに連れて行ってくれるの?」

息子の翼が最近ハマっている戦隊モノ

以前幼稚園でチラシを貰い

送り迎えの車の中でそのオンラインジャーの熱き思いを語っていた

でも私は仕事が忙しく妻も体調が悪い為

翼には我慢をしてもらっている


妻の亜希子は台所でいつもの朝食を用意してくれていた

亜希子

「はい ママ特製のサンドイッチとポテトサラダよ


???

「ふ~ん」


子供達を送り出し私も会社に行く準備

「じゃ行って来ます」


ん?

私は何やら視線を感じた

気のせいか・・・


会社に着くと上司と新入社員が

何やらもめていた

修平

「おはようございます」

同僚A

「あっおはようございます」


部長

「この程度の書類も作れないのかね」

新入社員

「でも部長いくら打っても文字が出て来ないんですよ例えば(ふいんき)とか」

部長

「(ふいんき)って打つんじゃなく正確には(ふんいき)だ!」

新入社員

「(ふんいき)「雰囲気」本当だ!じゃ(ぜいいん)は何て」

部長

「(ぜいいん)じゃ無く(ぜんいん)だ!」

新入社員

「(ぜんいん)「全員」本当だ!じゃ(ていいん)は?」

部長

「(ていいん)じゃ無く(てんいん)!」

新入社員

「(てんいん)「店員」わっ本当だ!」

部長

「これだからゆとり世代は困るんだよ・・・」


同僚B

「部長!昨日はご馳走様でした」

そう言えば昨日は部長のおごりで

飲み会だったな

久々の羽を伸ばした


会社を定時に出て電車に乗る

この時間帯はいつも混んでいる

私は運良く空いている席に座り

読書でもしようと思った


「啓蒙犯罪~仕組まれた危機意識~」

新進気鋭の作家の夜美神威の

ショートショート集だ

なんでも書店万引き・コンビニ強盗・

援助交際・銀行強盗

宗教テロ・政治テロは

国家が国民の危機意識を高める為に用意した

啓発の為の犯行「啓蒙犯罪」だったって

言うから面白い


さて今回はっと

彼のオフィシャルブログサイト「NEOFAMILIA活動日誌」内の

「ネオかぐや伝説」ってタイトルのショートショートを見た


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ネオかぐや伝説」

かぐやが目を覚ますとそこは真っ暗

一筋の光は何か穴みたいな所から差し込んでいる


「これって月明かり?」


かぐやは身を乗り出してその穴を覗き込んでみると

故郷の月が・・・


「明日は満月の夜ね」


かぐやは早速持ってきたお弁当を開けた

すると母から手紙が入っていた


「かぐやへこの手紙を読む頃にはかぐやはもう

少女から大人へと変わりつつあるでしょうね

安心してください竹から出るまでは大人の体へは

成長しませんから・・・笛を吹いて

美しい笛の音を母に聴かせて下さい

そして待つのです。必ずその時が来ます。」


「笛?」


かぐやは笛を取り出し早速吹いてみた

するとあたり一面黄金に光り輝き

その笛の音は月にまで届いたのだとか


早速かぐやは外に出るために笛を吹き続けた

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

いつものように竹やぶに入っていった私は暗闇の向こうに


黄金に輝く竹を発見した


私は怖くなりその場を立ち去りこの事は自分の胸の中に隠し

数刻の時が流れた


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

月にて


「大丈夫ですか?かぐや様ずっと笛吹いてらっしゃいますけど」


「何かあれば使者を発てる案ずるでない」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

お母様・・・


お父様・・・


サキ・・・


飴もあと一個・・・


空腹に耐えかね飴を必死でほおばる姫


眠い・・・


笛を吹くのをやめ・・・眠りにつく姫だった


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


ある満月の夜の出来事だった


街が慌しい


どうやら月から使者が現れたらしい

続々と月からやってくる使者達におののきつつ者や


神秘的に感じる者

彼らは私達の元へとやって来た

「姫を迎えにやって来た」


・・・?


「姫って?」


「姫だ!十数年前竹やぶに誕生した姫だ」

あの時の黄金の光・・・もしや

事情を話すと使者たちは慌てふためいた

急いで裏山の竹やぶに行きその竹の前へ


・・・異臭が漂う・・・さしずめ死臭か


「慎重にな・・・」


竹を割ってみた


中からは絶命したかぐや姫が

内側からかきむしった跡であろう爪の跡も見つかった


あの時私が竹を割っていさえすれば・・・

悔やんでも悔やみきれない・・・


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


竹を割らなかったのか・・・

凄いデッドエンドだな


さて続きを見るかっと思った時に

お年寄りが電車に乗って来た


私は当たり前の如く席を譲った

修平

「どうぞ座って下さい」

お年寄り

「ありがとうございます」


???

「ふ~ん」


ん?またあの奇妙な感覚だ

誰かに見られてる?

私は周りを見渡したがその気配は無い


翼は幼稚園まで両親が迎えに

行ってくれていた

亜美はすでに家に帰っておりテレビの前で爆笑していた

「あほや~そこに何で気がつかへんねん(笑)」

「またたくてぃくすのBDか?」

たくてぃくすと言うお笑いコンビが

最近テレビに出だした

初の冠番組が人気でBDの売れ行きも良いらしい



ん?誰だ?

振り返っても誰も居ない

気のせいか・・・

亜希子

「ご飯ですよ!」


亜美

「わぁ~ポテサラだ!」

「僕の好きなハンバーグだ!!」


食事の後は私は書斎で過ごす

家を建てる時に妻に懇願して出来た

いわゆる自分の部屋


夕食後はそこで好きな野球チームを見る為に

CSに加入して毎夜発泡酒で晩酌しながら応援している


???

「あ・お・や・まさ~ん」


ん?・・・うわぁ~

私は思わず奇声を発してしまった

驚いたのも無理はない

そこに女の子が居る


修平

「どこから入って来た!」


???

「それより良い物がありますよ」

その子は何やら持っていた物を

私に渡そうとした


???

「ALIVE NOTEです

これに奥様の名前を書けば」

???

「申し遅れました!私keyって言います!天使です」


私は幻覚でも見てるのだろうか?


key

「しばらくご厄介になりますね」

修平

「ALIVE NOTEって何?天使って何?」

key

「まず物は試し!奥様の姿を頭に思い浮かべて奥様の名前を書いてみて下さい」


私は差し出されたそのNOTEを手にした時

これは現実なんだと痛感した

何かに背中を押される感じで私はそのNOTEに亜希子の姿を思い浮かべ名前を書いた


「青山亜希子」



Key

「ALIVE NOTEには3人までしか名前を書けないです」



翌朝


トントントン

キッチンからお味噌汁の良い匂いがする

亜希子

「あらあなたおはよう」

修平

「う・・・うん!」

「ん?あの天使もいる・・・嘘じゃなかった」

Key

「当たり前ですよ 夢だったらどうするんですか?」

修平

「亜希子!紹介するよ!彼女は天使でkeyって・・・」

亜希子

「誰です?誰も居ないじゃないですか・・・

彼女?key?あなた!まさか・・・」

修平

「ち、違うあれ?寝ぼけてるのかなハハ」

亜希子には天使の姿は見えて無かった

亜美

「パパ、ママおはよう!」

修平

「おはよう!」

亜希子

「おはよう!今朝ご飯作ってるからね」

子供達にも天使の姿は見えてない

修平

「君は他の人には見えないの?」

Key

「ハイ!面倒な事になりますから」

亜希子

「出来たよ~ママ特製のサンドイッチ」

亜美

「いっただきまぁ~す」

「いっただきまぁ~す」

亜希子

「今日の夕食はいつものポテトサラダね」


もうこんな時間か・・・


修平

「じゃ行って来ます」

亜希子

「行ってらっしゃい」

修平

「今日は病院だね」

亜希子

「何かね 体調が凄く良いの」


会社の昼休み

亜希子から連絡があり

糖尿の値が良くなってるらしい


「あのノートは・・・」



続く・・・


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