ひもてぶらざーず
ひもてはうすに影響されて書きました。
くすっとして頂けたら幸いです。
「もてたい!もてたい!!もてない!!」
「うっさいな兄さん。ゲームの邪魔だよ。」
「余裕ぶってるけどお前ももてないだろ!」
ぎゃあぎゃあと言い争う二人。こんな事をしているからもてないどころか、出会いが無いと気が付くのは二時間後であった・・・
「よし!もてる方法を考えるぞ!」
「ゲームから女の子召喚する方法?」
「耳おかしくなっとんか!もてる方法を考えるんだよ!」
「ゲームではもててるよ」
「プログラムのおかげじゃ!現代日本の技術力の勝利じゃ!」
「ゲームから女の子を召喚した方が早くない?」
「ふりだしじゃ!元に戻っとるわ!逆にそれを考えた方が話の展開的に早いわ!」
ゲームから女の子を召喚する方法
その① VRで現実世界にいると思い込む
おもむろに弟がVRゴーグルを付ける。そして映像が映し出されると、デレッとした表情になる。
「弟の絵面がアウトじゃい!街中にいたら皆黙って避けるタイプの人になってるわ!」
「ふふふ・・・きなみちゃんはずっと僕の物だからね・・・」
「変質者じゃ!春先になると湧くタイプの危ない人じゃ!」
中止中止と言わんばかりに弟からVRゴーグルが外される。虚空を見つめながら、きなみちゃんとやらを探す弟。本物の危ない人が身内から誕生する前に次じゃ!次っ!
その② 召喚魔法を使う
おもむろにパックから鶏肉を取り出す二人。そして鳥の血を集めていく・・・
「スーパーの物は血抜き済じゃん!魔方陣を書くだけの血を集めるのは不可能じゃ!!」
「きなみちゃんのため・・・きなみちゃんのため・・・」
「鶏肉しか集まらん!鶏肉パーティーか!」
「兄さん真剣に集めてよ」
「生きている鳥を買った方がはるかに速いわ!くそっ!」
「何言ってるの。一般家庭に向けて小売りしてくれるわけないじゃん。そして鳥を殺すなんてご近所さんからなんて言われるか分からないの。」
え、急にいっぱい喋るじゃん・・・と困惑する兄と真面目の方向性を間違えた弟。結局魔方陣は完成せず、夜は予想通り鶏肉パーティーとなるのであった。
その③ こっちから画面に入る
「まだ続いていたんかこれ!」
「さあ兄さん。入りやすそうな50インチのテレビを用意したよ」
「高い高い高い高い!!expensive=高価じゃい!ネタにしてはマジじゃん!本気と書いてマジと読むやつやん!」
「テレビの画面抑えておいてね!いくよ!」
「待て待て待て!」
テレビの画面に飛び込む弟。兄の制止も虚しく、弟に出した手をすり抜けテレビ画面にぶち当たっていく。倒れるテレビ。弟を庇うかのように上に覆いかぶさる兄。美しき兄弟愛が演出されようかという時、兄があることに気が付く。
「あれ、痛くないぞ・・・」
「そうだよ。夢だからね。」
ハッと布団を跳ね上げ、起きる。そこには見慣れた自分の部屋があった。
「はぁ・・・もてたいなぁ・・・」
そう言った後には虚しさだけが残った。
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