早坂くんの秘め事。
下駄箱に入っていた……
ラブレターが。
差出人は書いておらず、[放課後、3回、数学ルーム横の空き教室にてお待ちしております。]との事。
湊、怜の2人は入学してから女子にずっと囲まれております。
あの二人の発言に女子からの視線が痛かったけど…弁明しましたよ!
あと女子の友達ができません!男子も!なんか色々辛い!
あー…女子の友達が欲しい…欲しいよ…
兎にも角にも、放課後行ってみようじゃないか!
放課後、湊と怜は、相変わらず女子に囲まれていたため、存在感というものを消して(元々ない)、例の場所へと向かった。
ガララッ
扉を開け、そこに居たのは……
攻略対象の早坂大輝だった。
「え?…早坂くん?」
「あっ、きて、くれたんだね…」
早坂大輝は私が来ることを想定していなかったように驚いていた。
いや、お前が手紙出したんだろうが。驚くんじゃねぇ。
「その…用事って?」
「あの、ね…草野さん。おれ…おれね…」
ドキドキ…ドキドキ…
もっ、もしかして…!愛の告白ですか?!
湊への?!
「草野が羨ましいんだ…」
「はい?」
え?ごめん。何言ってんの?
「あぁ、ごめん。急に言われても困るよね…
俺、こんな性格じゃん?暗くてさ…もっと、明るくなりたいんだ。」
「えぇっと…なんでそれで私が羨ましいの?」
「俺、実は、月影が好きなんだ
男同士なのに変かと思われるかもしれないけど…」
……そっち?!
怜くん?!怜くんが好きなの?!
いやいやいや!応援するけども!
そっちか!
お前、綺麗系の顔が好きなのか!
「早坂くん!私でよければ協力するよ!」
思わずギュッ と、彼の両手を掴む
「ほっ、ホントか?!」
彼が何かを言いかけた途端、ガララッという音と共に、私の幼なじみ2人がすごい勢いで教室に入ってきた
「「桜!!!!!!」」
「え?…湊に…怜?」
怜くん!グッドタイミング!!!!
幼なじみ2人は私に駆け寄ってきて、まるで私を早坂くんから守るようにして立つ。
その時も2人は
「おい、湊。ちゃんと男子は全員牽制したって言ってたじゃん」
「いやだって。まさかこんな根暗くんが狙ってるとは…」
とか、意味わかんない会話をしている。
そして2人が聞いてきた。
「ねぇ、桜ちゃん。
この人と付き合うの?告白されたんだよね?
大丈夫。これからその相手はいなくなるから。」
「安心して…桜。…桜と付き合おうなんて身の程知らず…今…けす、から…」
いやいや、ほんとにお前らは何を言っているんだ?
桜の存在感「そろー」
湊「桜ちゃんの存在感が、消えていく!きっと告白だ!」
怜「何!この時間空いている教室は3階の数学ルーム横の教室だけだ!」
湊「わかった!この女の子達片付けたら急いで向かお!」
怜「了解!桜が、付き合うって言ったらどうする?」
湊「え?その相手は3秒後にきえる。」
怜「さすが俺の幼なじみ」
湊「ふHAHAHA〜」
(※全て2人のアイコンタクト)