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「私のために争わないでというべきでしたかね?」


「いや司書さんのせいじゃありません、オークが悪いんですよ。司書さん、アンケートなどとってもこの場所じゃ駄目ですよ」


「ドラゴンさん、私も株式運用がうまくいっていればケチりませんよ。いえ上手くはいっているんです。でもやはり利益というものはハイリスクハイリターンということはないのですよ」


「はあ?」


 ジュニアスさんが図書館に送ってきてくれました。あの争いは村長が止めてくれて、二人は仲直りとやらしましたが。

 でもねえ喧嘩っていうほどのことでしょうか? どうして二人は言い争いをしたのかとんと今でも私わかってません。

 ドラゴンさんの背は快適でしたね。

 しかし私は少し太ったらしくジュニアスさんが無言でした。

 いえ太ったからのせるのに苦労したのと勝手に思いましたが……。私が幼い時、背にのせてとんでくれた時は割と饒舌だったのですよ! 

 聞いてみたらそんなことはないとぶんぶんと首を振られましたよ。

 

 ああしかし、元に戻ります。株の運用はうまくはいっているのですよ。でもねえ建物を一括現金でたててしかも生活費もありますし、老後までの蓄えを現状図書館につぎ込んでしまっているのでケチらざるおえませんでした。

 そうですねえ王太子の婚約者であればこんな苦労はしないですんだのでしょうが……。

 ナルさんと一生涯をともに過ごす位なら貧乏と同居した方がいいです。

 

「王太子妃となって逆ハーレムで幸せに暮らしましたなんて物語はありませんねえ」


「司書さん?」


「何やらクリスティーナさんが言われてましたが、私は逆ハーレムとやらはよくわかりません……」


「私だって知りませんよ!」


「辞書に載っていない単語をよく口にされるお人でしたが……」


 追憶はやめにしまして、どうしたら利用者が増えるか考えましょう。

 利用は無料ですが、利用者が増えることによりそうですね有名になれば寄付も増えるのです。

 図書館に寄付というものは貴族のステイタスなのですよ。

 いえもうけ過ぎた商人さんが寄付をして周りの不満をこうですね分散という効果もあるのです。

 王都の図書館は寄付が沢山ありましたよ?

 

「司書さん、こんな山奥の図書館に寄付はきませんよ。グロウズ様にご寄付をお願いしてはいかがです?」


 あ、独り言が聞こえていたようです。


「そうですねえおじい様にお願いは出来かねます」


「どうしてです?」


「さすがに辺境伯に利用者が3人しかいない図書館に寄付してなんていえませんよ。統計を取ってみましたが最悪の結果です」


「山奥ですから……」


「出来ましたらもう少し利用者を増やしたいものです。宣伝は対策費用として考えていませんでしたから、やはり口コミを利用しましょう!」


「はあ?」


「出来ましたらジュニアスさん、人間さんに化けてもらってふもとの村や町でこの図書館の宣伝をしてくれませんか?」


「え? 私がです?」


「ええバイト代はお支払いいたしますよ」


 ティンカさんが考えてくれた一案です。

 絶対女の子は来るらしいです。いい男に誘われたら絶対来るそうです。

 いい男ですか? ドラゴンさんでもいいと思うのですが……。

 人間に化けてもらわないと駄目ってティンカさんが言われました。なぜでしょう?


「バイト代はいりませんよ。司書さん、それくらいはお役にたてるのであればさせていただきます」


 他力本願なので出来たらお願いしたくはありませんでした。

 一応図書館を建てる時に宣伝はしたのです。

 ええ毎日毎日図書館の場所とそして本が毎日読めるメリットを伝道師よろしく説いて回りました。

 皆困った顔でこちらをみておられましたが……。

 

 お若い男性達が絶対に行くねなどと言ってくださいましたが……。

 一人も来て下さいませんでした。

 ティンカさん曰く、ジュニアスが来させるわけないじゃんとのことですが意味がわかりません。

 ティンカさんが呆れたといった顔でそれ以上はいってくださいませんでしたよ。

 

「男性利用者を増やすにはどう……」


「女性だけでいいと私は思います司書さん! ここは女性が好みそうな本が充実してますよ!」


「はあ」


「料理やファッション、後は……」


「私はファンタジーやミステリを愛しているのですよドラゴンさん。出来ましたら男性も……」


「女性が好むそれは題材ですよ司書さん!」


「はあ」


 ミステリは男性のほうが好まれるものだと思いますがね? ファンタジーは女性向けでしょうが。

 エロをおいたらどうかなと思いましたがおじい様に却下されたのです。

 私の弟はお父様の目を盗んで読んでいた程好きだったのでおいたらどうかなと思っただけです。

 エロといっても官能小説位なら……利用は制限はするつもりでしたが。

 

「ふう、中々大変です」


「頑張りますよ司書さん、私がついてますから! 後ティンカもですかね」


「そういえばドラゴンさん、他の……」


「弟達はここでお借りした本に掲載されていた確かチーズケーキは美味しいと喜んでましたよ司書さん!」


「はあ」


 他のドラゴンさんたちはお元気ですか? と言おうとしただけですが……。

 私には他に幼馴染はいましたから、年齢はジュニアスさんくらいの男の子たちでした。

 一応青年としてますが人間さんに化けたらジュニアスさんは18歳位です。

 ティンカさんは秘密♪と年齢は教えてくださいませんが……。

 なぜかジュニアスさんは、他のドラゴンさんたちは元気ですといって、私が会いたいですねといった瞬間、他の人の住みかはしりませんと続けます。

 まあドラゴンさん達は成人すれば違う場所に移動しますからね。

 成人まではほぼ人間と同じ位のスピードで成長するのです。

 18歳位になれば各地に住みかを移します。

 移していないのはこの地方が実家のジュニアスさんくらいですよ。


「ではお願い致します」


「はい頑張ります!」


 しかし私達の話し方は似てますね。この地方の標準語とはいえ、もうこの話し方しているのは私達くらいですかね?

 ふうとため息をつく私を心配そうに見る小型化したジュニアスさん。

 

 利用者が増えないのは死活問題です。

 私とて図書の充実、図書館の掃除、後はレファレンスの勉強と色々していますがさすがにティンカさん、ジュニアスさん、村長しか利用者がいない現状では図書館司書の能力を生かしようがないのですよ。

 はあ、3階にして一番上を住居にしましたが、最近どうも足腰が疲れてきているのか座りっぱなしがだめなのか疲れやすくなってきてカウンターで寝てしまってます。

 んあ? 等と言って朝はジュニアスさんに起こされてしまっていますので、出来たらもう一人司書を雇いたいですし頑張りますよ!

 

 

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