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「アリス、ここか!」


「ユライどうした?」


「マリエルが……」


「マリエルがどうしたんだユライ?」


「マリエルが攫われた。一緒に来てくれ!」


 ユライさんが青白い顔をしています。かなり焦っていますよ。アリスさんがどうしてお前がついていてそんなことになるんだと怒っていますが、攫われるって一体どうして?


「わからんが、王都から魔術師仲間が来て、話をしていたら……竜使いの身を拘束するとかいいだして……」


「はぁ?」


 アリスさんがわけがわからんと首をひねります。でも攫われたことが確かなら助けにいかないとだめですよ! 移動の魔法陣を使って王都から魔法使いさんが来るのは聞いてましたが、支部づくりの話し合いじゃなかったですか?


「お前がついていてなんで攫われるんだユライ!」


「悪い油断した……しかし竜使いを拘束するなんて聞いていない」


「もしかしたらお前利用されたのかもしれないぞ、取りあえずあたしの背中に乗れ! どこに行ったかわかるか?」


 慌ててアリスさんは外に出て大型化します。

 ユライさん曰く町ではなく山のほうに攫われたらしいからこちらに来たと……なら私達もお手伝いしないとです!


「私達もマリエルさんを助けるのを手伝います!」


「そうですね。私、一応魔法っぽいものを使えるのでお役に立てるかと」


「俺だって一応武術は!」


「私も行くわよ!」


「いや部外者を巻き込むのは悪い、アリス手伝ってくれ」


「おぅ、すぐ行くぞ!」


 ユライさんは首を振り、アリスさんの背中に乗ろうとします。でも二人じゃ不安ですよ。

 だってマリエルさんって割と腕っ節が強いんですよ。それにユライさんがついていたのに攫われたって……。ティンカさんも息まいてますが妖精さんじゃ微妙ですよ。


「手伝います!」


「あ、う……わかった。アリスの背に乗ってくれ」


「お前たちすぐ行くぞ!」


「はい!」


 ティンカさんは長さんを呼んできてくれるようお願いしました。 

 私達三人は慌ててアリスさんの背中に乗ります。

 でもどうして竜使いが必要なんでしょう?

 平和だったのに事件が起きるなんて……。アリスさんが飛び立ちましたが、ユライさんはなぜあいつら……と悔しそうに呟いています。

 竜使いは希少ですが攫うなんて聞いた事もないですよぉ。


「この先に反応があるぞユライ」


「お前の方が気配を読むのが上手いと聞いていたが助かったアリス」


「あたしたちは一心同体だからな!」


 竜使いと竜は盟友です。一心同体、今相棒がどこにいるかなどもわかるらしいのですよ。

 しかしこの先は確か山小屋があったはずですが、今は誰も使ってませんよ。

 山の先に見えてきた古い山小屋、アリスさんはその近くに降り立ちました。

 私たちが山小屋に向かうと、扉が開いて魔法使いのローブを着た男の人達が現れたのでした。

 




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