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「……相変わらずですね。ドラゴンさん」


「私はドラゴンさんではなくジュニアスという名前があります」


 この図書館には色々な人がやってきます。

 でも常連はドラゴン、しかもチビドラゴンでした。

 銀色のドラゴンさんは私と同じ緑の目をしています。


 器用にかぎづめで本を持つところがすごいですね。


「今日はお料理の本ですか」


「はい、うちの弟達に食べさせてやりたくて」


「はいどうぞ」


「ありがとうございます」


 小型魔法をかけているらしいですが、私と同じ位のサイズのドラゴンさんは可愛いです。

 この辺境の地は、妖精、魔族、ドラゴンさん、魔物が沢山、ドワーフ、エルフなどなど、人間以外の種族も共存しています。

 はあ母がまあエルフの血をひくということもあったからでしょう。


「相変わらず暇そうですね」


「はあ暇です」


「人間の方はこないのですか?」


「たまに来られます」


「場所が悪いのでは?」


「多分そうです」


 カウンター越しに話をしていますが、お客さんはほぼいません。

 山の上にたてたというのが悪いのでしょうが、予算の関係なのでした。

 だってここ結構土地代が高いのです。

 だからそこしか買えなかったのですよ。


「人間の方の利用は……」


「そうですね司書さんが宣伝をもっと増やしたらいかがでしょう?」


「はあ」


 私と彼の話し方は似ていますが、この地方の標準語です。

 ですますと後は私の一人称、うーんできたらもう少し区別をつけたいものですね。


「後、趣味に走り過ぎです司書さん」


「でも色々おいてますよ」


「せめて他の本おきましょうよ、百科事典など」


「私それ嫌いなんです」


「はあ」


 まあ、私は結構この話し方気に入ってますよ。

 暇すぎるのは問題です。だって朝からこのドラゴンさんしかお客さんはいません。

 死活問題です!


「うーん、宣伝手伝ってくれません? ドラゴンさん」


「別にいいですが、人間さんって呼ばれたいですか司書さん?」


「遠慮しておきます」


 どうも私はここに一人過ごしてもう一ヶ月、宣伝が足りないのと場所が悪いのと利用者のニーズが足りていないせいか、利用者はまだ3人です。

 これはまずいです。

 私は父の権力がないと全くだめな人なのでしょうか?

 木の匂いがいい、本の匂いが素晴らしい。

 図書館のカウンターで貸出カードを差し出し、私はどうしたら利用者が増えるのか人間以外の方に今日も相談するのです。


 宣伝はお金がかかるので、できたら口コミを利用したいものです。

 だから出来たらドラゴンさん以外の利用者を増やしたいものなのです。


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