二日目
「おーい!朝だぞ!起きろ!!」
今日は珍しくお父さんが起こしに来た。
「はーい。」
のんきに答えながら布団の中からは出ない。
しばらくそのままでいるとドアがゆっくり開いたのが気配で分かる。
(・・・・なんか悪い予感?・・)
「ひっかるっちゃーん!!」
「ぐぉ!?!?!?」
「輝ちゃん輝ちゃん輝ちゃん輝ちゃん!」
・・やっぱりか・・・・俺の上に乗っかって輝ちゃんと連呼しているのは幼馴染の愛梨だ。
最近よく起こしに来るようになったため逆に迷惑な部分も・・・はぁ・・・
「むぅ~、起きろ~!」
とうとう持っていた自分のかばんで殴りだしやがった。
「痛いっ」
そう叫んで起き上がったのが間違いだった。
「きゃっ」
と小さく悲鳴が上がりそれにつられて俺も倒れこむ。
バーーンッと派手な音を立ててベッドから落ちた。
「いたたたた・・・へ?」
「ん?」
ポンっとな!
では、私ほくろうが現状況を簡単に説明しましょう。
愛梨どのが輝様をかばんで殴り、それで怒った輝様が起き上がったため二人とも倒れこみ
愛梨どのの上に輝様は倒れ、現在、愛梨どのの胸に顔をうずめているようなことになって
いるのです。
「な・・・きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
――学校への通学路。
愛梨は全然口を聞いてくれなかった。
「あ、あのー・・・」
「・・・・・」
やっぱり・・・とほほ・・・
えーと・・・・・何か話さないと・・・えーと・・・。
こ、このままじゃ絶対嫌われちゃううよぉ・・・。
輝ちゃん絶対怒ってると思ってるよ。
そんな感じで学校についてしまった。
「・・・・はぁ・・・」
「じゃ・・じゃぁまた・・・」
「う、うん・・・・・あ、あと・・・ごめんなさい・・・・」
「は?」
「な、なんでもない!!」
そう叫んで走り去っていく愛梨。
やっぱ嫌われたかなぁ・・・・・
「おっす!元気ないなどうした?」
「別に・・・・」
話しかけてきたのはクラスメイトの鮫田。クラス一の秀才だ。
「別にじゃねぇだろ見てたぞ。お前思いっきりふられたじゃねーか。」
「知ってるなら聞くなよ・・・・。」
鮫田は苦笑しながら
「ま、がんばれよ。」
と言ってきた
「余計なお世話だよ。」
「ははは。」
「おーいお前ら早く教室入れー」
「あ、はーい」
「よっ。」
「あ、おはよ・・・・」
「どーした?元気ないぞ?輝とケンカでもしたか?」
「・・・・分かってるじゃん・・・」
「はははは珍しいねー」
鮫田さんは苦笑した。
「分かった。うちがなんとかしたげる!」
「え?でも・・・」
「大丈夫って。安心しとき。」
少し心配だったけど今はそんなこと考える余裕もなかったからとりあえずたのんでみることにした。
「じゃ、じゃぁお願い・・・・します。」
「うむ。」
「なるほど。それは・・お前が悪いっちゃな。」
「だよねぇ・・・ほんとどうしようかな・・・絶対嫌われたよこれ。」
「ま、しょうがないよ。っと妹が呼んでるな。ちと、行ってくるよ。」
そういって鮫田は教室を出て行った。
・・・はぁ・・・何て日だ・・・今日は・・・。
なんて考えながら窓の外を見る。
空はまるで今の自分の気分のようにどんより曇っていた。