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こもれび  作者: 佐々伊織
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いつだって、突然だった。







勿体なくて食べられなかった飴細工を食べられてしまったことや、


バイトをしてやっとの思いで買ったカメラが誰かに取られてしまったこと。


大切にしていたものが無くなってしまうのは、

いつだって突然だった。



そう、

両親がいなくなったことも。









「さむっ」

12月末、外は真っ白に覆われていて

歩くのを躊躇うほどの雪が積もっていた。


こんなに寒い中、外を出歩くのは抵抗があるけれど、

今日は上司が参加する飲み会があるし、

その前に行かなくてはいけない場所がある。


「行かなくちゃ」


私は靴を履いて、左足から1歩踏み出した。








着いたのは家から電車で1時間ほどの小さな神社。

奥まで足を進めると北風に靡いた絵馬がカラカラと揺れる。


今年で最後の絵馬を手に取って、

私は今日も決まり文句を書く。


あれから1回も泣いていないのに、この時だけは鼻の奥がツンとして、泣きそうになる。



「和くんに会えますように」









貴方は今、何処にいて何をして、何を見て

何を考えていますか。


私は今、そう、今になって、

貴方に放った言葉がどれだけ尖った刃物だったかを思い知らされるのです。

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