表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
偽物は異世界を  作者: 鬼川
プロローグ
1/3

001話

趣味程度に投稿する予定です〜。

 ──魔法とは、なんなんだろう。

 色々と話は聞いたことはあるが、ハッキリした物は何一つとしてない。

 魔法陣を描いて悪魔を呼び出したり、詠唱して炎を出したり──調べればキリがないほど、山のように出てくる。

 しかし、その中で実際に確認できるの物はあったか?

 答えは、間違いなくゼロだ。

 だってそうだろ? 本として出版されているのであれば、必ず誰かしらの目を通ることになる。

 試す者だっているはずだ。

 その線に詳しいオタクなら尚更のこと。

 だから何千何万とある魔法の中に、本物があれば一気に広がり途端に大ニュースだ。

 しかし今までそんな話は聞いたことはない。

 つまり答えはゼロ。

 魔法はこの世に存在しない。

 そう、少なくとも(、、、、、)その時は。

「はい、お疲れさん。次は……ヤマト殿〜、順番だ〜」

 俺の名前だ。

 呼ばれた場所を確認して、読んでいたページに黒羽を挟んで閉じる。

 硬い石の椅子から立ち上がった。

 人とぶつからないよう注意しながら、カウンターに着く。

「そこに座ってくれ」

「あぁ」

 目の前の男は多分、四十代前半。見た目は穏やかそうな顔だ。

 職員統一の制服(平民の服よりは少し上等)を着ていて、胸にはトレードマークのバッジが付いている。

 その肩には、小さな光り輝く精霊がアクビの様な動作をしていた。精霊は人の形はしているものの顔や表情が無い。

 しかし喋る事が出来なくとも感情はあるので、パートナーとして連れている者も少なくないらしい。

「それで、今日は何の用だ?」

 言葉遣いはともかく、定石通りの質問だ。

「母さんが再婚したんだ。だけど忙しいから俺が入籍届けを出して来いって。全く、人扱いの荒い親だよ。あぁ、もちろんサインは持って来てる(、、、、、、)

「そいつは災難だったな」

 男ははっはっはっと笑ってから、指でクイクイっとサイン()を催促する。

 俺は、ポケットから一辺1センチくらいな正方形の黒い石を取り出した。

 それを机に置いて、上の面を一回タップする。

 すると石の端から紫色の煙が出て来て、段々とある文字になっていった。


 ‘【限定】 エリー・セリナール’


 【限定】とは、サインを書いた本人が、この石の使える要点を指定することが可能だ。

 今回の場合だと、この手続きでしか使えないように設定している。

 使い方は簡単。サインしたい物の上に石を置くだけ。

「よし、確認した。ナーフィ、入籍届けの書類を取って来てくれ」

 精霊はナーフィという名前らしい。

 ナーフィはこくりと頷くとフラフラ〜と何処かへ行ってしまった。

「さて、じゃあ手を出してくれ」

 言われたままに差し出す。

 男は俺の手首の上に人差し指を浮かせた。

 数秒すると手首から一滴の血を引き(、、)取る事に成功したようだ。

「……おぉ」

 男の指先の上で俺の血がクルンと回っていた。

「証明のための吸い取りは初めてか?」

「書類なんてものは無縁だったからな」

 ほほう、と男は口元に笑顔を浮かべる。

「じゃあ、これは何に見える」

 グニュンと曲がったと思えば、三日月模様のに変わった。

 普通だったら‘月’と答えるんだろう。

「黄色だ」

 無論、血は赤色のままだ。

「ならこれはどうだ?」

 俺の異様な回答をスルーして新しく形を作る。

 今度は葉っぱ模様だ。

「緑色だ」

 血を元の形に戻し、丸くして、また聞いてくる。

「じゃあ太陽は?」

 ここは赤ではなく──

「太陽だ」

 はたから見たら変な会話にしか見えないんだろうが、両カウンターは柵で仕切られている。聞こえていたりはしないだろう。

 と、確認(、、)が済んだところで、精霊ナーフィがフラフラと帰ってきた。

「おい、どーしたよ。……え? 書類がない? そんなバカな。すまない、ちょっと見てくる。戻るまで書類の見本(、、、、、)を見ていてくれ」

「あぁ」

 懐からA4サイズくらいの紙を渡して、男は奥の部屋と消える。

 ‘書類の見本(、、、、、)’を手に取って内容を見た。



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



 先ほどの男が、裏口から路地裏に出て来た。

 誰もいないことを確認して、一回指を鳴らす。

 すると穏やかな男の顔が変化し、傷の跡が何箇所も見受けられる大男に変貌した。

 服も同様に質の良い服から、ボロいものに変わる。

 しばらく自分の顔を触って確かめた後、今度は壁に集めておいた大きなゴミ箱の中身を漁る。

 すると中から先ほど大男が成りすましていた(、、、、、、、、)男が顔を出す。

 よく見ると寝ているらしい。

 大男はそれを引っ張り上げ洗浄魔法を掛けた。

 臭さが無くなったのを嗅いで確認すると、寝ている男の方を揺する。

「……ん……んん?」

「おい、お前何してんだ? こんな所で」

 自分は何も知らないかのように振る舞った。

「え、えぇっと……?」

 混乱しているようで目がボンヤリとしている。

「客が待ってるんじゃないのか? 早く行け」

「は、はい。……?」

 寝ていた男は首を傾げていたが、裏口を開けて職場の方に戻って行った。

 しばらく、男は突っ立って物思いに耽ったが、ふと口を開く。


「さて、お手並み拝見だな。ニューフェイス?」


 男の口元にまた笑顔を浮かべた。



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



 ‘書類の見本’には、こう書いてあった。


‘セイナー市、第二区の何処かにいる『ハスター』関係者全てを抹殺しろ。情報収集や潜入スタイルなども評価する。期限は明後日の23時59分までだ。なお、組織からの援助は一切しない。お前の力を見せさせてもらう’


 ……了解。

 紙の端にある赤い文字の小さな魔法陣に触る。

 すると一瞬にして紙が燃え、跡形もなく消えた。

 カスさえ残らないのは不思議なものだ。

「待たせてしまって申し訳ない。ご用件は?」

 先ほどの男だ。恐らく本物(、、)の。

「いや、やっぱりなんでもなかった。邪魔した」

「は、はぁ……」

 男は困惑した様子で突っ立っていた。


 さて、その目に焼き付けておくんだな。

 ザン?


 木製のドアを閉めて外に出る。

 風が吹いたかと思えば、もうすでに俺はいなくなっていた様に見えただろう──

 どうもこんにちは〜。作者の鬼川です。

 この度はこの小説に興味を示して頂いてありがとうございます。

 とりあえず一話ほど書いてみました。

 この小説は書いてみようって前々から思ってたのですが、イザ書いてみると自分文章力の無さに驚きっぱなしです。

 何回も書き直して、納得のいくものが出来ました。

 プロの小説家さんはそういったのはちょっと修正するだけですんじゃうんでしょうね。自分も早くそんな風になりたいです(汗)

 何やともあれ、この作品を読んでいただきありがとうございました。読んでいて「あれ? おかしな」と思ったら書いていただけると有難いです。

 作者は右も左も分かりませんが、もし「面白そう」と思っていただけたなら、一週間に一話というペースで投稿するので、次話の方もよろしくお願いします。

 ちなみに平行して書いている小説の投稿はもう少し先となります〜。申し訳ないです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ