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右ゾン 5 初めての魔法

「プルート?」

「はい、闇魔法の基本的なものの一つです。とりあえず使ってみましょう私の言う通りにしてください」


ブメアに一通りの魔法発動のやり方を教えてもらう、なんとブメアを持ってその魔法名を唱えたらそれだけで魔法発動できるらしい簡単すぎないか?


「本当であれば魔法を習得するだけでもかなりの修行が必要なんです、ですけど猿戸様は私が補佐するので詠唱なしで魔法を使えるんですよ」

「ほぇー」


別に俺は魔法を習得する苦労を知らないのでこれが普通に感じるが流石ダンジョンの主と言う事か凄いぞ俺


魔法のやり方を教えてもらったのなら次は使いたくなるのが人のさが。 今俺の初めての魔法がうなりをあげる!



狙うべきゾンビに向かって右手を広げて向ける、そして左手は右腕の二の腕に!左手の意味はない、ならなぜやっているかって?それは俺がカッコイイと思っているからだ。

すぅーと息を吸いほんの少しだけ息を止めてカッと目を見開く!


「・・・プルート!」


魔法名を唱えると右手の手のひらに黒いもやもやが現れて塊になり目標のゾンビに飛んで行った、黒い塊プルートはゾンビの手前で分散してゾンビにまとわりつく。

いつもアーアーと何か唸り声の様な物を発しているゾンビだがいつも以上の唸り声を上げてその場で暴れ出す、自分にまとわりつくプルートにでも攻撃しているつもりなのか?


しばらく暴れた後急にバタリと倒れて動かなくなってしまった、倒したのか?と思い目を凝らして見ようとしたら急に体の奥から力がみなぎる感覚を感じた、この感覚は前にレベルアップした感覚と同じだ。


「レベルがあがったようですね」

「そうみたいだな」


ブメアの言ってた通りゾンビは異世界で言うアンデットと同じなんだろうか、とにかく今は考えるのは後だ目的のリュックを回収しなければ。


もし他のゾンビに見つかってもさっきの様に魔法で倒せるだろうが危険なことには変わりない。

それに魔法を使い続けて魔力が枯渇する感覚はもう既に何度も味わった、今までは気怠くなればダンジョン作成の手を止めて休憩出来ていたが今はそんなのんびり出来ないので見つからない事に越したことはない。


腰を低くして素早く倒れているゾンビのリュックを奪い店内に戻る、リュックの中には食料が少しだけ荒く入れられていたリュックの大きさに比べて入っている食料の数がすくない憶測でしかないが食料を取っているとゾンビに見つかり慌てて回収をやめて外に逃げたのはいいが外のゾンビに結局やられたと言う所だろう。


念の為に外のゾンビが俺に気付いて店に来ようとしてないか確認してから目に着いた食料をリュックの中にしまっていく。


「よし、これくらいでいいだろう」


残っている数少ない弁当などはとっくに食費期限が過ぎて食べれそうにないのでカップ麺やお菓子と飲料水を入れておいた。


「もういいですか?」


もう一度リュックの中身を確認して一人で頷き今回の成果を確認してからリュックを閉じて背中に背負うとブメアがまた異世界に戻る事を催促してくる。


「ああ、戻ろうか」

「ではまた私を持ってください。 では」


前回と同じように魔法陣を光らせて一瞬視界がブラックアウトした。





先程までの暗い光ではなく太陽の様な眩しいわけでもないダンジョンの灯りが視界に入って来た。


「帰って来たのか」

「はい、敵が侵入した痕跡もありません」


どうやら俺が元の世界に行っている間に俺のダンジョンがボロクソにやられていた!と言う訳ではなさそうでよかった。

念の為の俺の家、ダンジョンをマップで見て安心しておく。


「よし行く前と一緒だな!  さて早速食べるか!あー腹減った~」


荷物を下ろして膝をつき出てくる涎を飲みこんでリュックの中をあさり適当に目に着いたものを手に取り取りだす。

出てきたのはカップ麺カップヌードル味だ赤いパッケージが目につきお馴染みの商品だ。


「~♪」


ふんふんと鼻歌を歌いながらそこにあるシールを手の甲に張り付けビニールの膜を剥がし蓋を開けいつもの様に暖めておいたポットを取る・・・がない!?


「ないぞおおお!?」

「!? なにがですか?」


足をクロスさせ腰をひねり上半身だけを後ろに向けて手を広げて悲痛な叫びをあげる。

ないのだ!ポットが!お湯が! お湯がなければ食べれない、麺を砕いてベビースターラーメンの様に食べる方法があると聞くがそんな食べ方を今する気はない俺はあたたかいラーメンが食いたいのだ。


「お湯がね ないの!!」

「お湯・・ですか?作ればいいじゃないですか」


「ど、どうやって!?教えてくれ!目の前にカップ麺があるんだ!」

「カップ麺と言うんですかなるほど  それはそうと魔法で作ればいいんですよ、その白い筒にお湯を入れればいいんですね?」

「あ、ああ。 魔法でお湯を?」

「ではまた私の言う通りにしてください」

「わかった」


ブメアの出した指示は俺に火魔法を使う事だった。


「ではアクアボール」

「お? おお!?」


ブメアが魔法を唱えると前の魔法陣が光り少し離れた所に水の玉が空中に現れる、水の玉が宙に浮くなんて動画で宇宙の実験動画でくらいしか見た事がなかったので目を見開いて驚く。


近づいて手で触るとピチャと音を立てて水玉の中に手が入っていく、感覚だけでは普通の水で波紋も立つのでまるで水面を触っている様だ。


「猿戸様先程教えた魔法を」

「あ、ああそうだったな」


水玉に夢中だった俺の後ろからブメアが俺を現実に引き戻す、もうちょっと水玉を触りたかったが空腹には勝てない。

ブメアの隣まで下がり水玉から距離を取って安全を確保してから先程の様に右手を水玉に向けて魔法名を唱える。


「ファイヤーボール!」


さっきのプルートの炎の球バージョンが水玉目がけて飛んで行く。


ジュウウウウウウウゥゥゥゥ・・・・グツグツグツ


水玉に炎の球が当たった時は水が蒸発する音が聞こえたがそれは一瞬だけで炎の球が水玉の中まで入るとすぐにグツグツと沸騰しだした。 お湯の完成だ。

ちなみに俺がファイヤーでブメアがアクアだったのは熱湯になった後カップ麺にお湯を入れると言う精密な調整を俺がしたことないからだ。


喜びで舞い上がる気持ちを押えてカップ麺に入っていくお湯を眺めながら指示をだす。


「そのままーそのままー・・・ストップ!」


ゆっくりと入っていくお湯が内側の線に到達するとブメアにお湯を継ぐのを中止させてすぐにカップ麺のふたを閉め割り箸を蓋が開かないように上に置く、後は3分待つだけだ。

膝に顎を乗せて3分立つのを待っていると


「何をしているんですか?食べないのですか?」

「ん?あー、これはお湯を入れてから3分経ったら完成なんだよ」

「そう言う事だったんですね。 ではそれまでダンジョンを作っていきましょう」


こいつ俺を働きづめにする気か!?


「出来るまでくらいのんびりさせてくれよ!俺は待ちたいんだ!」

「いえ魔力もまだ余裕があるでしょうし勿体ないかと」

「知らん!俺は食べるまで動かんぞ!」

「・・・はい」


人間とは空腹のときは機嫌が悪くなるものだ。

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