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右ゾン2

タイトルは後でかえます

ゾンビに追われながらいつ死ぬかもしれない状況で生きていくことよりも魔導書の言う通りダンジョン作成とやらをする方が安全だと判断した俺は魔導書の説明を座りながら聞いていた、さながらお勉強会だ。


「ではまずダンジョンを作っていく基本的な事から説明しますね。 まずダンジョンを作るには魔力が必要になります、この世界ではレベルと言う概念がありそれを上げることによって魔力の上限が増えて行きます。つまりダンジョンを経営して他のモンスターや人間を倒して経験値を稼ぐのですもちろんダンジョンのモンスターが敵を倒せばあなたに経験値が入ります経営者みたいなものですからね。」


確かにこれで俺が直接戦って倒さないといけないとかなると何のためのダンジョンになるんだ、本末転倒だな。


「一応自分で倒す方が経験値は多くはいるんですけどね」

「そうなの?」

「そりゃそうです、取得できる経験値を全部あなたが取ってしまったらモンスターがレベルアップしないじゃないですか」

「それもそうか」


命を張って戦った結果なんの報酬もなく、もらえる経験値は上司に取られるとか反乱がおきてもおかしくないな。

労働基準法違反だ俺なら即日でやめる。


「では基本的な経営の仕方を理解して貰ったと思うので今ある魔力で出来る所まで作りましょう。 私の目の前に来てください」

「ほい」


そう言いながら魔導書が俺に近づいてくるので俺も一歩歩み出る。

下ろしている手を上げればその魔導書を手に取れるほど近くまで来ると魔導書の前と後ろにある魔法陣の前側、小さい方の魔法陣がクルクルと周りながら何やらボタンや項目があるPC画面の様な物を出した。


「んー?」


初めて見るものだが本が浮き魔法陣が現れ、ダンジョンがどうこう今まで言っていたファンタジーの世界とは見合わない整理されて使いやすそうな画面に変な反応をしてしまう。


目を見開きながらその画面をのぞき込むとそこには青色の点が正方形の四角の中に入っている絵の様なものが書いてあり、左にはモンスターや移動・撤去やら書いてある。


「もしかしてこれがダンジョン作成に使う?」

「正解です、これを使ってダンジョンを作っていきます。 簡単なことであれば言ってもらえれば私がしますけどね」

「便利だな」


見た感じ使いやすい様に整頓されている+魔術書が意識を持っていて言えばやってくれるとかなにそれ超VIP待遇じゃないか!てか俺要らなくね?


「それは便利に決まってるじゃないですか、その為の私ですしね。  では早速作っていきましょう!まずは道を作りましょう、このままダンジョンとして地上に道をつなげてしまうと入った瞬間部屋一つでそこにはレベル1のボスが居た。ってことになりますからね。 まずは私達の元へたどり着きにくいダンジョンの形を作りましょう」

「わかった」


俺だってボーナスボスになって助かったこの命を無駄にはしたくないのでな。

魔術書の地図を見ながらまずは道を作る。


魔術書が言うには一本道を作ってモンスターを置いてもゴールが見えているなら強行突破などをされたりすることもあるらしいので、まずは迷路の様にして無駄な道を作るのがいいらしい。

道が沢山あったりすると相手も命を掛けているので攻略に数日かけることになる、攻略が遅れると言う事は次の道やモンスターを追加する時間を稼げもする。

そう言う訳でまずはダンジョンの入り口を決めてそこから道を伸ばして最終的に俺達の居る部屋につなげるがやり易いらしい。


「別に俺達がいる部屋に繋げなければ俺がやられることなくないか?実質最強な気がするんだけど」

「基本的に道をつなげておかないとモンスターが倒した経験値が貰えないですし、その道の管理も出来なくなりますよ。 一応トラップなどで開け閉めできる扉を設置すると言うやり方もありますけどそれを作るのはやめてた方がいいと思います、まだレベル1ですし」


まぁ予想していた通りの返答だ、そんな事出来るならそんなチートダンジョン誰もこないだろう。

しかしいつかは鍵付きの扉などをつけるのがいいだろうな。


せこい考えはとりあえず捨てて今は魔術書の言う通りの道を相談しながら作る作業に戻る。




「よし、こんなものかな」

「はい、初めならこんなもので十分だと思います」


俺が作ったダンジョンはまず入り口から道が続き分かれ道を三つくらいあるちっぽけな迷路だ。

道は出来たので最後のゴール、俺達の居る部屋につながる予定の道をつなげると


ボコッ!


と音を立てて何もなかった壁にいきなり出入口が出来た、その向こうには岩をくりぬいたような道が続いているのが見えるこれを俺が作ったのだと思うとなにか少し自分が凄くなったような感覚に陥る。


「おお、これを俺が・・・」


もしこれだけの穴道を作ろうとピッケルを持って掘っていたら何か月・・・いや何年もかかるだろう。


「歩いてみてはどうですか?この道を通って敵は来るのですまずはこのダンジョンの主人であるあなたが歩いてみてはどうでしょうか?」

「そ、そうだな」


俺が魔術書から目を離して道へ歩き出すと、先程まで出していた地図を初めの魔法陣に戻して俺の後ろについて来てくれた。

まるで水族館の水中トンネルを歩く子供の様に目をキラキラさせながら岩の壁を眺めながら歩いていると行き止まり壁にたどり着いた、ただの岩の壁見ているだけで楽しく見えるのは自分がこれを作ったからだろう。


「ここは・・・入り口の予定場所か」

「はい、ですがまだ準備がまだです。 次はモンスターを作りましょう、今の気分はどうですか?くらくらしたり頭痛はしませんか?」


「うーん、特にいつもと変わりないかな。 頭痛が痛いってこともない」

「?」

「・・なんでもない続けて」


逆ってのは反応されなかったらこんなに恥ずかしい物なんだな・・・。

振り向いた俺の目の前にまで魔術書がやってきてさっき同じ画面を見せてくれる、左のモンスターの部分を選ぶと今の俺の魔力で出せるモンスターを魔術書がピックアップしてくれる。


「んーっと?コグモ?」

「コグモはかなり弱いモンスターですけどその分必要魔力も少ないので今はそれを作るのがいいかもしれませんね」

「まぁおすすめだって言うなら・・・一体だけ作ってみるか」

「わかりました」


ホワァーッと魔術書の魔法陣が光俺達から少し離れた所にボトッと音を立ててそのコグモとやらが光に包まれて現れる。


シィーッ!


「ぎゃあああああああああああああああああああ!!!?????」

「!?猿戸様?」


どんなモンスターが現れるのかとワクワクして見ていたのだがそこに出てきたのはかなり大きいと言うかデカすぎる白く青の模様が入ったクモが居たのだ。

いきなり昆虫、しかもバカでかいクモなんて現れたので俺は魔術書を手に持って顔を隠す様に魔術書の後ろに隠れてしまう、体は全然隠れれてないが。


シ、シィー・・?

「クモだ!クモ!でかいし怖い!ひえええええ!?」

「お、落ち着いてください。このコグモは猿戸様が作ったものですので襲って来ないですし忠誠を誓ってます、それに逆にコグモが怯えてますよ」

シィ・・・


そう言われて魔術書からチラリと顔を出してコグモを見て見ると確かにショックを受けてるように見えなくもない。

呼ばれていきなり大声あげてビビられるとか確かにかわいそうだ・・・そう思うとちょっとかわいく見えなくもないか?・・・顔はキモイけど。


「いやでも・・でかいからびっくりしたって言うか・・・」

「それはモンスターですからね、あなたを守るモンスターが人間に踏まれて潰される大きさなら作る意味ないじゃないですか」

「確かに・・・」


人間とかと戦うんだからこれくらい普通なのか・・・


「このコグモは特に特技もない平凡なモンスターです、出来たとしても瀕死の敵を糸を使って捕まえるくらいでしょうか、とにかく今は休み休みでモンスターの数をそろえましょう」

「・・・へい」


コグモが大量に居る所を想像して少し気分が悪くなったが死ぬ事に比べたらまだましだし、前の世界では人間が元人間に食われている所も嫌になるくらい見たので対象は我慢することにする。

その後は3体程コグモを作った所で気怠さを感じて休むことになった。


「ふぅ・・・なんか急に疲れたな」

「その疲れは恐らく魔力が底をつきかけているからの症状でしょう、休めば魔力が回復して元気になりますよ」


どうやらこれが魔力がすくなくなった状態らしい、魔力とか魔法とか夢物語の世界の話だったのでこんなこと初めてなのでちょっと貴重な体験なのかもしれない、いやこの異世界で暮らしくのが普通になるのだからこれからは嫌になるくらいあるのか。


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