7話 いざ街へ!
おじさんに言われたクラル草も無事採取できたし、風の精霊アウラとも契約できた
日に日に成長できているはずだ
そしてアウラも連れておじさんのところに帰った
「おじさ~ん、採ってきたぞ~」
「今帰りました、おじさん」
「おう、帰ってきたか~。ちゃんと採ってこれたのか?」
「あぁ、これだろクラル草は」
そういって俺は採取したものをとりだす
「ほら。」
「おお、それだそれだ。トラブルとか特になんもなかったか?」
「はい!魔物もそんなに強くなかったし簡単でした。ただお兄ちゃんがアウラちゃんと契約したぐらいです♪」
「アウラ?誰だそいつは?」
俺から言おうとしたが杏珠に先を越されてしまった
まあ言うのは誰でもいいか。伝えれれば
そのまま杏珠に言ってもらおう
「精霊ですよ。この森に住んでるっておじさんが言ってたやつです」
「っっ!?マジか!?」
グワッと音が出そうなぐらいの勢いでおじさんがこっちを向いてきた
・・・・・・・なんか怖いんですけど~
「それってホントなのか!?!?!?」
「あ、あぁ、証拠もあるぞ。出てこいアウラ」
『は~い。お呼びですかご主人様?』
「おおぅ!!なんか出てきた!?もしかしてこれが?」
『んっ?はじめまして~。私は風の精霊アウラです。以後、お見知りおきを♪』
「お、おう。よろしく。俺の名はフィル・ローガンだ。2人の師匠って感じだな」
『よろしくお願いしま~す』
おじさんはめっちゃビビッてた
それもそうか。本当にいるとは思ってなかった精霊が目の前にいるんだし
しかも上位の風の精霊だから、風属性を使うおじさんはなにかしら感じるものがあるんだろう
「まぁ、それはおいておこう。これで俺が出した修行は全部終わったわけだ。よく頑張ったな。」
「「お疲れ様です」」
「あぁ、お疲れ」
「でもおじさん、確かに最初よりは強くなったが・・・・・こんなのでこの世界2人でやっていけるのか?」
強くなっているとは思うが、そうそううまくいくとは思えない
どのぐらい強いのか見ることができるならすぐわかるんだけど・・・・
ここでは比較相手がおじさんぐらいしかいないし
「んっ?なんだ?不安なのか?」
「いや、不安というわけではないんだが・・・・」
「まぁ、この辺りの魔物を1人で倒せるなら十分なんだがな。ユウタは強力な精霊と契約しているし、アンジュは色々な魔法が使えるから他のとこでも大丈夫なはずだ。自分の能力とかが知りたいなら街にあるギルドに行ってみるといい。そこでギルドカードを作れば自分の能力などが見えるぞ。そのカードは基本、名前・性別・職業・能力値がわかるすぐれものだ」
ギルドか・・・・・
アニメやゲームならありがちだな。
やっぱこの世界にもあるんだな。一度行ってみるか。ほかの精霊を捜すのに自分の能力値がわかっていた方が行動しやすいだろう
「どうする?お兄ちゃん?」
「そうだな~、行ってみるか。他の精霊も探さないといけないし、この森以外の場所も見てみたい」
『私も行ってみたいですご主人様!』
「行くか街へ!」
「うん!行こう、お兄ちゃん!!」
「てことでギルドに行ってみるわ。おじさん」
「ああ、行ってこい。だがちゃんと帰ってこいよ。俺もお前らの能力値が気になるからな」
『「「 行ってきます! 」」』
そうして俺たち3人は森の近くにある街に向かった
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しばらく森を歩いていくと木のないところに出ることができた
初めてアレイシスの森から出たのである
「おお~!これが森の外か」
「初めて森から出たね、お兄ちゃん。こんな風になってたんだ~」
『私も初めて森の外に出ましたよ。ご主人様のおかげですね♪』
どうやら3人とも森から出たのは初めてだったらしい
これからもどんどん新しいことが起こっていくのか・・・・・・・楽しみだな
「魔物があまりいないな」
「そうだね。森と比べるとかなり少ないよ」
杏珠の言う通り森よりはるかに少ない。何故だろう
『ご主人様、それは魔力の濃度が薄いからではないでしょうか。この森の濃度はかなり濃いので魔物も多いんだと思いますよ。それに比べて森の外は濃度が薄いのであまり魔物が産まれないのでしょう』
「なるほど~。まぁ魔物が少ないなら進むのも楽だからいいか」
「そうだね。のんびり街にいけるならそっちの方がいいしね」
「よし!とりあえず行ってみようか!」
「うん。おじさんが森の近くって言ってたしきっとすぐ着くよ!」
俺たちはおじさんの言葉を信じて言われた方角へ進んでいったのだが・・・・・・・・・
街に着いたのは森を出てから1時間後だった
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「はぁぁぁぁぁぁ!!やっと着いた~~~~~」
「と、遠かったよ~。近いんじゃなかったの~!!!」
『お疲れ様です、ご主人様。大変でしたね。次は馬車などがあれば楽にこられますよ』
「そうだな~、考えとこう。とりあえずもう夕方だし何処かに泊まろうか」
「うん。わかったよお兄ちゃん。じゃあ、宿を探そう♪」
「アウラは他のやつからは見えるのか?」
『いいえご主人様。基本は私を見ることができません。ただ、ご主人様の意思で見せるようにもできますよ』
見えないならいいかな。この世界には精霊と契約できる人が少ないって言うし、できるだけ自分の情報を出さないようにしないと。何が起こるかわからないから
「ならいいか。ところでこの街はなんていうんだ?」
「んっと・・・・・・・・・あっ!看板があるよ、お兄ちゃん!」
杏珠が指さした先に看板が置いてあった
その看板を見に行ってみようかな
見てみると異世界の文字で書かれていた。最初から会話はできたが文字の読み書きはできなかった。まぁ、おじさんに教わったから大丈夫だけどな
「ほんとだ。えっと、アスセーナって名前らしいぞ」
「アスセーナの街か~、いい名前だね♪」
「そうだな。じゃあ宿を探すか!」
「うん!そうだね。」
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「あっ!お兄ちゃん!あそこの宿にしようよ!」
「あぁ、いいよ。じゃあ部屋が空いてるか聞いてみようか」
杏珠の言ってきた宿はなんとも可愛らしい宿だった
白とクリーム色が基調の建物で、宿の名前は ”月白の猫亭”だ
簡単な名前だと思いながら中に入ってみると宿の名前の由来がよく分かった
白髪の女の人がいた。だが普通の女の人ではなかった。なんと!頭の上に耳が!!猫耳が!!!!
髪の色も真っ白ではなく薄い青を含んだ白だ。月白という通り月の光みたいで綺麗だった
ついに!けもみみっ子~!さすが街。さすが異世界!!!
「いらっしゃいませ~。月白の猫亭へようこそ~」
「泊まりたいんですけど。部屋開いてますか?」
「はい!ございますよ。何名様ですか?」
部屋は開いていたみたいだ
よかった。せっかく街に来たのに野宿になったらどうしようかと思ったよ
「2人なんですけど」
「1人部屋と2人部屋、どちらにいたしますか?」
「えっと、じゃあ、ひと・・・・・」
「2人部屋で!!!!!!」
杏珠に遮られた。しかも1人部屋で分けようとしたのに・・・・・
そう思いながら杏珠を見てみると、む~っとした顔で頬をふくらませていた
なんで????
「杏珠、どうしたんだ?」
「お兄ちゃん!なんで部屋を分けようとしたの!!」
「えっ?だって兄妹って言っても男女だし。杏珠も嫌だろ?」
「杏珠はお兄ちゃんと同じ部屋がいいの!!!1人とかさみしいよ!!!」
「わかったわかった。じゃあ2人部屋でお願いします」
杏珠の勢いには勝てなかった
まぁ杏珠がOKなら別にいいけど
「はい。では何泊いたしますか?うちは1泊小銀貨1枚になっております。この料金の中に朝食の代金も含まれております。ただし朝食は含まれていますが夕食は別料金となってますのでお気を付け下さい」
「じゃあ、とりあえず3泊で。夕食も3回お願いします」
「かしこまりました。3泊の分で小銀貨3枚、夕食代が1回銅貨20枚なので3回で銅貨60枚です。なので合わせて小銀貨3枚と銅貨60枚になります」
お金はおじさんに少し借りているので持っている
俺はポケットに入っている袋から小銀貨4枚を出して受付の人に手渡した
「小銀貨4枚ですね。ではお釣りの銅貨40枚です。お部屋は2階に上がってすぐ右の212号室になります。朝食は7時~8時、夕食は8時~9時になっています。この時間帯以外は食堂を使えませんのでご了承ください」
「わかりました。これから少しの間お世話になります」
「こちらこそ、お客様が快適に過ごせるようにしたいと思います」
そうして夕食を食べた後、俺と杏珠は部屋に行った
一応確認したがベットはちゃんと2つあった
危なかった~。きっと受付の女性が察してくれたのだろう
「ふ~、やっと落ち着けるねお兄ちゃん。」
「あぁ、歩き続けて疲れたよ。」
部屋に入った瞬間に俺はベッドにダイブした
結構疲れていたんだろう。すぐ寝れる
「お兄ちゃん。2人っきりだし、今夜は寝かせないぞ♪」
「そんな冗談言わずに寝るぞ~。もう疲れたんだから」
「む~~、べつに冗談じゃないのに・・・・・・・・・・・・」
杏珠がぼそっと小さい声で何か言っているが眠すぎて聞き取ることができなかった
やばいもう限界・・・・・
「・・・んぁ、何か言ったか杏珠?」
「なんでもないよぅ・・・・・・・」
「そうか、ならもう寝るぞ。限界だ。杏珠おやすみ」
「うん。おやすみ、お兄ちゃん」
こうして街での1日が終わった。今日はただ宿に来ただけだが・・・・・・・
明日はギルドに行くかなぁと考えながら俺は意識を手放した
投稿スピード遅くてすみませんm(-_-)m
次回はギルドに行きます。そこで優汰の新たな力が!?!?!?
そろそろ世の中はバレンタインですね~。まぁ私には関係ありませんがwwww
次回も早く書けるように頑張りま~す。ブックマークしてくれてる人ありがとう!
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