第1話「邂逅」
世界滅亡説というものは、実に面白い物だと思う。いつ訪れるか分からない未知の存在に、ある人は恐れ、またある人は胸を踊らせる。最近のものであれば、2015年9月のものだ。
まぁ、遅刻しそうになる奴が言う台詞ではありませんけどね。
「ややや、やべぇ! ちぞk……噛んだっ!遅刻する!」
つー訳で、俺のいつも通りの一日が始まる。
俺こと師島蓮は、16歳、高1。あだ名はまだ無い。後期中間の点数が非常にマズイ状態になってしまった為、塾に通うことになってしまった。面倒臭ぇ…1日に四時間も自主勉に時間を使えるか!…え?あんたの個人情報は知らなくていいって?酷いなー。
「おはよう、貴様ら!……また師島は遅刻か!」「いや、ギリ間に合ったっす」
この糞ジジイは、俺のクラスの担任、ごr………松風。「風」の字が入るから、どんな爽やか系イケメンor絶世の美女なのだろうと思いきや、ゴリゴリだ。クラスメイトも皆、「今時体罰教師とかww」と思っている。
······昼休みになった。気持ち悪い体罰教師から解放される、至福の一時。
「廻斗ー!」ちなみに、廻斗とはおれの親友の名前だ。
「蓮」心底憂鬱そうに廻斗は俺を呼ぶ。
この性格には理由があった。
廻斗を一言で表すとすれば、[ド平凡]だ。分かりやすく説明するなら、こいつには特徴がない。特別弱い訳ではなく、かといってとりわけ強い訳でもない。
だが、こいつはそのことを素直に受け入れすぎている。その為、それほど物事に対して熱いわけではない。
「蓮、僕はどうやったら取り柄のある、強い人間になれる?」
「またそれかよw」
そして、これを本気で考える俺。
「うーん、分かんねーな・・・」
そして、廻斗のところから立ち去る。
···何やってんだ、親友の質問を適当にはぐらかすクズがいるか!ガチでしね、俺!
ああもう、思い出すだけで嫌になる。弱いのは俺の方じゃないか。こんなときは、明るいことを考えよう。
と、半ば強制的に考えることを変えることにした。
あー、俺も強くなりたいなー。ある日突然、都合よく超能力とか手に入んないかなー。そんなテンプレ的な展開、無いかなー!召喚士とか格好いいからなー。女子にモテるだろうなー。いやぁ、俺もともと彼女いるか!hahahaー!
そして俺は、やらなきゃいいのに···なコトを半ば無意識に、自室気分で、叫んじゃう。
「異界より、バハムート召喚っっ!!!!」
···
やっべ、恥ずかしい。てかガチで恥ずかしいぃぃぃっ!!!
嫌だ嫌だ、恥ずかし過ぎる!!恥ずか死ぬっ...
いや、なんか変な音しません?落ち着きを取り戻した俺は気付く。
まるで、巨大な鳥が、こちらに向かって来るような音が。
そして。
がっしゃああぁぁぁあん!!何かがぶつかり、派手に窓ガラスが粉砕される音が、盛大に響く。
俺や廻斗ももちろん含めたクラスメイト全員が、割れた窓の方向を向き、釘付けになる。
金髪の、何より背中からリアルな翼の生えた女の子が、そこに立っていたからだ。
「やっと気づいたか。召喚士。」
「あのう、どなた様でしょう?」
「…うぇ、え、え、えぇぇぇーー!!ちょ、わ、笑わせないでっ!は、腹痛いっ、笑い死ぬっ!
···は、ははーん、私分かっちゃったぞ♪さてはお前、人間族と鶏のハーフだなっ!!」
人間[族]という部分に疑問を感じて、
「だからお前誰だっつってんだよ!!日本語分からないのか!!!」
そう問いただすと、その子は衝撃的な答えを発する。
「分かってないのはお前だよ。さっき召喚したはずでしょう。お前のその口で。
私は、いや私こそが!バハムートよ!!!」
「馬鹿なんすか?」
え、ちょ、言ってる意味が分からない。この子、キ○ガイなのかな??
ただ、この時の俺は、この出逢いが単なる偶然の訳がなく、必然的なモノだったということを、知るよしも無かった。
To be continued.




