遊び場
「おーー!!」
海音が感嘆の声をもらす。
優希の提案で海音たちは高台にある神社に来ていた。
「おー!って、海音は海宝祭の準備見に来るの初めてだっけ?」
優希が横に並んできて聞いてくる。
「うん!スゴいね!!」
海音は素直にそう言った。
「まぁ確かに、いつもの何にもない階段と参道しか知らなかったらこれくらいのことでも驚くよなー」
優希はそこまで言うと一呼吸おいて海音の肩に手を乗せて、言葉を続ける。
「だったら上の神社を見たらもっと驚くはずだぜ!」
そう、いつもよりも楽しそうな笑顔を浮かべて言った。
海音たちは演舞の行われる本殿を目指して階段を登っていく。
その途中、屋台の準備などを行っているおじさんやおばさんからおにぎりや飲み物、おかしなどを沢山もらった。
「なぁ海音!いい遊び場だろ?」
「うん!!」
優希の質問にそう答える。
「遊びにきただけでこんだけ腹が膨れる場所なんて他にないからな!」
優希は笑いながら先頭を進んで行く。
「はぁ、海音!あんな優希を見習ったらダメだよ」
後ろから奈々が声をかけてくる。
「何だとこのやろー」
「何でもー」
またこのやり取りだ。
優希が突っ掛かって行っても奈々が流す。
こんなやり取りが二人は出来ていた。そんなのが妙に羨ましく見える。
海音にとっては夏のみの思い出だから。
海音の後ろでは智也が瑠璃にちょっかい出していて嫌がられていた。
「やっぱり皆でいるのは楽しいね!」
そんな事を口にする。
海音の言葉を聞いた優希は驚いたような顔をした。
話をしながら階段を登っていると途中の広場に出る。
広場には登ってきた場所よりも沢山の屋台が並んでいて余計に凄かった。
「さぁ、やっとついたな!」
広場に着くとすぐに優希が口を開いた。
「よし!それじゃあ奈々と瑠璃は先に階段登って本殿の所に行っててくれ」
「??」
二人とも優希の言葉に首を傾げながらもその通りに階段を上がっていく。
「あ!そうだ、奈々!!」
上がっていく奈々を引き留め優希が耳打ちをした。
「あー!しょーもないなー。まぁいいや、それじゃあ上で合図すればいいんだね?」
「おう!頼むぜ!」
そんなやり取りをして優希が戻ってくる。
「さて二人とも遊びを始めるぞ!!」
優希は海音と智也のほうを見て話始める。
「ルールは簡単だ。先に上に行った奈々が合図を出してくる。それがスタートの合図だ!んで一気にかけ上がって最初に頂上に着いた奴が勝ち」
「かけっこ?」
「まぁそんな感じだな!」
そこまで説明して優希は準備運動を始める。
「えー、おれめんどくさいよー」
智也がいつもの言葉を口にする。
けどそれも分かっていたかの様に優希が口を開いた。
「そっか、それじゃあ智也はやんないんだな・・・あーあ、勝ったら瑠璃も見直すかもしれないのになー」
その言葉で智也の目のいろが変わる。
「やる!やるよおれ!」
「よし、全員参加だな!」
『お~~~い!』
上から奈々の声が聞こえる。
改めて見ると結構な遠さだ。
「ねぇ優希?これなんだんくらいあるの?」
「んー、確か100段くらいじゃなかったかな」
『は!?』
思わず智也とハモってしまう。
「まぁまぁ、勝ったらちゃんとご褒美ありだから、頑張ろうぜ」
その言葉に智也は余計にやる気を出して、海音は楽しそうに優希の隣に並んだ。




