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海賊vsアウトロー

ワイアットの現在の仕事:賞金稼ぎ、鉱山主、武器屋のオーナー、傭兵団の出資者

燦々と陽が照る、青く広がるソマリー沖の海。


 エメラルド色の波が砂浜に優しく打ち寄せ、船が港を出入りしていた。

 遠くには白壁の宮殿と、貴族たちの別荘が点在する──


「綺麗な海ですね……」


 ミレイナ・クロシュノレーヌは、潮風に揺れる髪を押さえながら呟いた。


 彼女の隣には、まるで観光に来たような顔の男がいる。


「よし、ミレイナ!この国でも一山当てるぞ!」


「……また金の話ですか」


「当然!まずはホテルの最上階スイートルーム手配だ!」


「貴方、お金持ってるんですか?」


 呆れたような声で返すミレイナ。


 だが、ワイアットは満面の笑みで財布を開く。中にはぎっしりと金貨と高額札。


「武器屋の配当金とカウンタックの手数料、その他いろいろで大儲けだよ!」


「……結局お金取ってるんですね……」


「投資に対する正当なリターンだよ!資本主義の勝利!」


「やっぱり最低ですね、我が君」


 ノワールジェネシスと、レオノールを引きながら、

 二人は豪奢な港町を闊歩する。


 だがこの町にはすでに──ワイアットの人生をかき乱す“紅い嵐”が待ち構えていた。



ソマリー沖の国──リヴァル

 王族や富豪が集うこの町の象徴とも言える最高級ホテル、その最上階スイートルームにて──


「わあ……っ!」


 ミレイナ・クロシュノレーヌは、まるで少女のように感嘆の声をあげた。


 大理石の床に赤い絨毯、絢爛なシャンデリアが照らす部屋。

 テラスにはオーシャンビュー、そして金の縁取りがされたベッドは、まるで王族の寝室のよう。


「凄い部屋ですね……! こ、こんなの初めてです……!」


 思わずワイアットの顔を見るミレイナ。その目にはわずかに潤みがあった。


 そんな彼女に、ワイアットは片手をポケットに突っ込んだままニッと笑う。


「な? 俺に着いてきて良かっただろ?」


 どこまでも軽薄、どこまでも堂々とした態度。

 だけど──不思議と頼もしい。


「……まあ、否定はしません」


 口を尖らせながらも、ミレイナはその言葉を認めた。


 ──その夜。

 二人はテラスで海を眺めながら、豪華な夕食とワインを楽しむ。


朝の陽光が降り注ぐソマリー沖。

 高級ホテルでの一夜を過ごしたワイアットとミレイナは、城下町の散策に出かけていた。


 だが──


「なんだか、妙に静かですね……」


 ミレイナが呟いた。

 海沿いの商店街には観光客の姿はまばら。

 村の漁師も船を出さず、海を眺めてぼんやりしている者ばかりだった。


「活気がねえな……海の国ってのは、もっとこうギラギラしてんじゃねえのか?」


 ワイアットは魚市場を覗き込むが、干物しか並んでいない。

 観光地とは思えぬ寂れた光景。


 そして、通りの片隅で聞き耳を立てた老婆の一言が、事態の核心を突いた。


「また昨日も出たらしいよ、海賊船が……」


「このままじゃ、漁なんかできやしないよ……」


「国も軍も見て見ぬふりさ。ブランド価値がどうとか、体裁ばっか気にして……」


 その言葉に、ミレイナは目を見開く。


「海賊……! それで軍は……?」


「黙ってるってさ。リゾート国家のイメージに傷がつくからってな」


 ワイアットは鼻で笑った。


「ハッ、クソみてえな話だな。見栄とブランドのために人を見殺しかよ」


「ですが……もし我々が下手に動けば、外交問題になるかもしれません」


「わかってるよ。でもな──」


 ワイアットは片手で新聞を折りたたみ、ぐしゃりと潰す。


「──カタギに迷惑かける奴らは好きじゃねぇんだ」


リゾート国家リヴァル──その城内にて。


「おい陛下、国のブランド守るのも大事だけどよ。人が死んでんだろ? だったら、俺が秘密裏に片付けてやるよ。な?」


 玉座の前、ワイアットは腕を組んで踏ん反り返っていた。


 対する王は、気弱な顔で身を引いていた。リゾート国家の王というより、むしろ商人のような気配すらある。


「ワ、ワイアット! 国王陛下に対してその口の利き方は──」


 ミレイナが慌てて止めに入るが──


「よい、よいのだ。……そなた達の熱意と度胸、しかと伝わった」


 王は小さく頷いた。


「成功すれば、望む額の報酬を与えよう。名は秘す……それが条件だ」


 ワイアットはにやりと笑った。


「ふ〜! 太っ腹! さすが“ブランド”を大事にしてるだけあるな。で、その海賊ってのは──どんな奴だ?」


 王の顔が曇る。


「……“マリアライト海賊団”……この国の周辺海域で最も悪名高い海賊団だ。

 数年前に死んだ初代船長の娘──カレン・マリアライト20歳が現在の船長である」


続けて被害の説明も

「一ヶ月前にこの国に現れ船乗りから“海上税”と称し金銭を巻き上げ、軍による鎮圧の動きを察知すると、リゾート海岸に砲撃を加え観光客に被害を出す等の略奪と脅しを掛けている⋯」


「──あ〜、これはもう情状酌量の余地無しだな〜⋯じゃあ成功の暁には10億ダストに港の所有権も貰って⋯次は貿易会社でも作ろうかな〜」 


「良かろう⋯好きに持って行け」

王は渋々それを了解した


ワイアットがあくび混じりに言い放つ。


「よし、ぶっ潰してお宝頂こうじゃねぇか。

 陛下、手配書とかある? 」


 国王は言われるがまま、一枚の手配書を差し出した。


 そこに写っていたのは──


 赤髪を風になびかせる若き女海賊。

 気の強そうな目元と、気品すら漂う立ち姿。

 それでいて、年頃の娘らしい愛嬌も残る表情。


「……ッ!!」


 その瞬間、ワイアットに電流が走った。


(か、可愛い……)


 固まるワイアット。だが次の瞬間──


「陛下、これ全身写ってる写真って……ないすかね?」


「え? あ、ああ……あるにはあるが」


 戸惑いながらも国王が渡したのは、全身ショットの別写真。


 腰のくびれ、豊かな胸元、曲線美。

 まるでモデルのようなシルエット。


(エロっ……!!)


 ワイアットは無言でその場に片膝をつき、頭を垂れた。


「──陛下。このワイアット・クレイン、

 必ずやこの賊共を討ち果たしてみせましょう!

 すべて、この私にお任せを!!」


「お、おう……」


 あまりの豹変に呆気に取られる国王。


 横でそれを見ていたミレイナは、手配書をじっと見つめながら小声でつぶやく。


「(……スタイルでやられましたね、これは)」



月の光に照らされながら、二人と二頭は静かに港町を目指した。


 ワイアットが口を開く。「ミレイナ、偵察に行くぞ」


 ミレイナは意外そうな顔をする。「偵察?貴方らしくありませんね。珍しく一から作戦でも立てるつもりですか?」


 「作戦はもう出来てる。あとは敵の数と配置を把握するだけさ」


 そんなやりとりを交わしながら、二人はリゾート地の外れにある寂れた港へと辿り着く。


 波音だけが響く静かな夜。港には大型の海賊船が停泊していた。


 「……あれがマリアライト海賊団の本拠か」

 ワイアットが小声で呟き、双眼鏡を構える。


 ミレイナもすぐに分析を始めた。「見張りは四人。東西南北に一人ずつ配置されているようですね。あの船の大きさからして、乗組員は四十名前後。戦闘要員と後方支援含めて、といったところでしょう」


 「男女比は……七対三くらいか。あ、あの子可愛い」


 「何を見てるんですか!」

 ミレイナの鉄拳がワイアットの後頭部に炸裂した。しゃがんでいた彼はそのまま地面に沈む。


 「偵察中に色ボケとはどうかしてますよ! 我が君!」


 「伏せてる時の拳は反則だっての……」

 顎を擦りながら起き上がったワイアットの表情が、ふと真剣味を帯びた。


 「……でもな、ミレイナ、今回は敵に女がいるのも重要なんだよ」


 ミレイナはその瞳に、いつもの軽薄さの奥にある、もう一つの顔を見た。


ワイアットの偵察から四日後――

 マリアライト海賊団の船内では、妙な焦りと苛立ちが漂っていた。


「ちょっとアンタたち、食事まだ!? それに最近なんか、料理がショボくない!? え、私だけ!?」

 赤髪のツインテールを跳ねさせながら、カレン・マリアライトが叫んだ。


「す、すみません船長……」

下っ端の一人が青い顔で答える。

「調達に向かった連中がまだ戻ってなくて……倉庫の備蓄も、そろそろ底が……」


「はあ!? 何やってんのアイツら!」


 一方その頃――


「皆さん、昼食が出来ましたよ」

 ミレイナが笑顔で大鍋を抱えながら、配膳を進めていた。


「おう! どんどん食え!」

 ワイアットがその中心で腕を組み、豪快に笑う。


「ありがとうございます!」

「こんな豪勢な飯、久しぶりだ……!」


 そこには、先日武器の援助を受けたカウンタックの町の住民たちがいた。

 現在、彼らはワイアットの支援の下、最新鋭の火器を携えた傭兵団として各地で名を馳せている



今回のワイアットの作戦にも

「出資者の依頼とあらば!!」と遥々駆けつけた



 ――補給のために船を出した海賊の小隊を発見したら、それを傭兵団で襲撃し、物資を奪う。ただそれだけだ。


「近くの井戸も封鎖したし森の動物もノワールが追い払った!さて何日持つかな?」


それが確実に効いていた。


 ──その日の早朝。


「発見! 三隻目の補給艇、森側の入り江へ入った!」


「よし、配置に付け! 合図で撃て!」


 銃声が響く。海賊たちは何が起きたかも分からぬまま、パニックに陥る。


「ぎゃあああ!!」

「脚があああ!!」


 ワイアットは岩陰から状況を見守る


「足を撃って転ばせる程度でいい。命までは奪うなよ」


補給艇襲撃の夜。

 ワイアットは傭兵団の焚き火の輪に腰を下ろして、酒を酌み交わす


「いいかお前ら、捕まえた海賊はそのまま賞金首としてギルドに持ってけ、懸賞金はお前らの懐に入れて良い、追加収入ってやつだ、女は⋯好きにしな」


歓声が上がる。


「マジっすか!」「太っ腹だなオーナー!」


「ただし」

 ワイアットの目が鋭く光る。

「暴行とか必要以上の手出しは禁止だ、ルールを破った瞬間、俺からの出資も武器の支給も全部打ち切る。わかったな?」


 その威圧に、傭兵たちは一斉に姿勢を正す。


「了解です、オーナー!!」


「よろしい」

 ワイアットはふっと笑って、酒瓶をひと振り。

「飲み過ぎないで下さいよ、我が君」


嫌がらせが始まってから、一週間。

 補給班は戻らず、海賊船マリアライト号の備蓄は底を突いた。


 甲板では空のバケツを前に、赤髪の少女がうずくまっていた。


「お腹……空いた〜……」


 船長、カレン・マリアライト。

 だが今の彼女に“海賊団の首領”らしい迫力はない。くたびれた服、ふらつく足、そして空腹。


「……調達班、まだ帰って来ないの?肉は?米は?お酒も欲しい……」


 だが、物資の枯渇は“食”だけではなかった。

 人もまた、次々と姿を消していた。


「……くそっ、こんなときに限って!」


 焦るカレンの背後で、船員たちの怒号が上がった。


「ふざけんなよ!何が船長だ!」

「てめぇが何もしないから、こんな目に遭ってんだろうが!!」

「俺たちは餓死寸前だ!!」


 ついに、反乱が起きた。

 怒号、拳、混乱。

 数人がカレンの周囲を取り囲み、今にも掴みかかろうとしてくる。


「お、おいちょっと!なんで私が責められてんのよ!?」


甲板に響く怒号、荒れる足音。

 カレン・マリアライトは後ずさっていた。


「おい船長ォ!いい加減にしろよ!」

「てめぇが何もしねぇからこうなったんだろうが!」

「食い物も無ぇ、金もねぇ、仲間も戻って来ねぇ、もう終わりだよこの船は!!」


 カレンの足が、後ろの樽にぶつかる。

 そのまま、尻もちをつく。


「い、いや⋯っ、やだ、やめてよ⋯!」


 足を引きずるように必死に逃げようとするが、逃げ場は無い。

 甲板の端。追い詰められていた。


「うるせぇ!てめぇが偉そうにしてられるのは今だけだ!」


 カレンの肩が震える。

 視線は虚ろに泳ぎ、手が小刻みに震えていた。


「ち、違うもん⋯わたしは悪くないもん⋯

 補給班が戻って来ないのが悪いのよ⋯私はただ船長なのに⋯なんで、私ばっかり⋯!」


 声にならない声で呟きながら、涙が目に滲む。


「こ、来ないでよぉ⋯やめてぇ⋯!」


 ――だが、誰も止まらない。


――バチン、と頬を打たれたカレンが、崩れ落ちるようにその場に座り込んだ時だった。


「女の子いじめちゃいけないって習わなかったか?」


 突如、甲板の上に響く男の声。


 次の瞬間、港に設置されたクレーンの上からひらりと飛び降りて着地する1人の男。


 ――ワイアット・クレイン。


「なっ、何だてめぇは!!」


「それ貴方が言いますか?」

ミレイナも遅れて、悠々と階段を下りてくる。


 武器を構えようとする海賊団――だが、誰もがボロボロで腰が引けている。

 体は飢え、心は挫け、もはや戦意など残っていない。


「よぉ。どう見ても疲弊した自滅寸前の貧民軍団だなァ?もう傭兵も要らねぇや」


 そう言って、上着を脱いでカレンにそっとかけてやる。

 彼女は震えながら、ワイアットを見上げた。


「だ……誰よ、あんた……」


「俺か?可愛い女の子が泣いてたから助けにきただけの男だよ」


(嘘つけ我が君…今回の目的は海賊討伐でなく彼女でしょうに…)


船上。

倒れた部下たちと、静まり返る甲板の中、カレンだけが床に膝をついていた。


「で? どうする船長さん? 保安庁に突き出すか?」


 その言葉に、カレンの顔色がサッと青くなる。


「や、やだ……やだよ! 嫌だ! 死にたくない!」


 立ち上がろうとしたが、膝が笑っている。

 自分を守る力も、命令を聞いてくれる仲間も、もう残っていない。


(我が君……また酷いことを)


「そりゃなァ。お前みたいな海賊の船長が捕まったらな⋯、流石に可哀想か」


カレンの顔に微かに安堵の表情が浮かぶ

「奴隷商人に売るか?色々辛いだろうが命は無事だろう」


再びカレンの顔が青ざめる

「お願いっ、それだけはやめて……!!アタシまだ処女なのぉ⋯」


 瞳が震える。生きたい――。でも、どうすれば?

 その答えを、彼が提示する。


「じゃあさ……俺の女になれ」


「――――!?」


 頭が真っ白になる。

 でもその男は、冗談ではなさそうに、真剣な眼差しで見下ろしていた。


「ふ、ふざけて……っ」


「ふざけてたら、今頃お前の首は袋に詰めてるさ。

 それとも本気で保安庁に出頭するか? 運が良けりゃ減刑されるかもな?」


「……ッ……!」


 唇を噛む。涙がこぼれる。

 でも――


「……っ、わかった……なる……」


「おっけー☆ じゃあまず風呂入れ、臭い」


「うわーん!!!泣」


ミレイナ(これは“悪魔と契約した顔“ですね……)


玉座の間――

煌びやかな王宮に、ワイアットとミレイナが姿を見せた。


「……まさか、本当にあのマリアライト海賊団を制圧するとはな」


「はっ! 微力ながら尽力させて頂きました!(可愛い女のために)」


「契約通り、懸賞金と港の使用権をそなたに――」


「――あ、やっぱそれ全部要らないです!」


「な、なにっ!?」


 玉座に座る王が身を乗り出す。ミレイナは溜息をついた。


「……始まりましたよ」


「港の使用権、残党の賞金、船の宝……全部国に寄付します。どうせ俺、港持っても運営メンドいんで」


「なにを考えている……では報酬は?」


「――カレン・マリアライトで!」


「……は?」


ワイアット「彼女の罪状も重々承知してます。けど俺は彼女を買いたい。正式に専属の奴隷として」


(奴隷じゃなくて愛人でしょ)


「……奴は略奪、殺人、脅迫、幾多の罪を背負っておる。法に従えば終身刑、または処刑だぞ?」


「全部帳消しにできるだけの貢献はしたと思いません?」


 その目は真っ直ぐだった。

 そして続ける。


 ワイアットはニヤリと笑って、ひとつ付け加える。


「もちろん、身柄の引き渡しに関する正式書類も整えます。

“カレン・マリアライト、罪状全てを肩代わりし、ワイアット・クレインが責任を持って更生させる”って感じで。問題あります?」


「……いや、ない。ないが……貴様という男は……」


「悪徳商人の手口ですね」


「許可する。だがその女の行く末、全てそなたの責任だ。よいな?」


「感謝します、陛下――ではカレンは俺が預かります」


城の外

「欲しいものも手に入れて完全勝利だな!」


「必死こいてる敬語がキモかったです、我が君」


翌朝、霧がまだ町を包む中、城門前の広場に一行の影が現れる。

兵士に両脇を固められ、鎖の音を引きずるようにして歩く赤髪の少女――カレン・マリアライト。

かつての海賊船長は、今や囚われの身。


広場に待つのは、黒馬ノワールジェネシスに跨ったワイアット・クレイン。

ミレイナとレオノールもその隣で静かに待っていた。


「これよりカレン・マリアライトは、ワイアット・クレイン様専属の奴隷とする」

役人が一枚の契約書を掲げ、儀礼的に読み上げる。

カレンの手首の鎖が解かれ、足枷の鍵も外される。


少女はうつむいたままサインを済ませた。


ワイアットは馬上から片手を伸ばす。

「じゃあ行こうぜ。乗れよ、カレン」


カレンは一瞬だけ迷い、唇を噛む。

それでも観念したようにワイアットの手を取って、ノワールの背に飛び乗った。


ワイアットの背中に腕を回してしがみつきながら、ぽつりと漏らす。

「……あなた、嫌い」


その言葉に、ワイアットはどこか嬉しそうに笑った。

「そう?まあ逆らうなよ、お前はもう俺のもんだ」


そして――

ノワールジェネシスとレオノールは蹄を鳴らし、再び旅路へと駆け出す。

新たな仲間、新たな火種を背に抱えて。

カレン・マリアライトを従えて、ワイアットの旅はさらに熱を帯びてゆく。

因みにカレンですが見た目のイメージはホロライブのマリン船長がモデルです

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