なんでもっと早く・・・
1人・・・2人・・・3人・・・
10人・・・・・・50人・・・・・100人・・・・
1000人・・・5000人・・・
まだまだ・・・
今私の前で
助ける事の出来たはずの人々の命が消えて逝く
なぜ、防げることが出来なかったのか!
もっと早くこの事が分かっていたのなら
いくら悔やんでいても
あのバカな上司や上層部が
もっと・・・この事が起こってしまった時に
ちゃんと対応出来ていたのなら
いや、バカなことを起こしたあのバカ王子の事を
もっと早く伝えてくれていたなら
止めていてくれたのなら
助けられる人がもっといたはずなのに
いくら悔やんでいても・・・
その日街は春の祭りで、沢山の人々で賑わっていた。
皆これから来る祭りの山車に、祝福の花束を捧げ
次の季節の繁栄を願い、祈りを捧げていた。
春の祭りの山車とは、ここから一年のこの国の実りと、来期の繁栄を願い飾られた山車が王都を練り歩き、その山車に感謝の意を示し王国民が各々花束を捧げる事で、豊穣の神に奉納するというものである。
こんなことは言うまでもなく、全国民が分かって要ることだと私は思っていた。
だがしかし、あのバカ王子はやらかしていた。
当日、神に捧げるはずの山車に
あのバカ‼
自分の同級生(愛人)を乗せ
神ではなく我が愛する聖女(性女)を崇めよ
居るのかもわからない神よりも、私の最愛の
聖女(性女)に祈る事が、我が国の繁栄に繋がる
「この国が不作なことがあったか?
天候も良く魔獣の発生もなく、何百年も平穏に過ごして居るのではないか?
居もしない神に祈るのではなく、我が愛する聖女(性女)に祈るのが正しいと私は思う!」
そう言って強引に、山車から豊穣の神の依代が入っている神輿を外し、聖女(性女)を乗せる為の祭壇を取り付けたそうだ。
っていうか、神官長に陛下何で王子を止めないのか!
そんなことやる前に!いくらバカ王子でも言ってるはずだ!!
まさか相談無しでやってた?
いやいや、いくら王子でも山車にさわる事は出来ない。
穢れを近づけぬように、山車には神官が付いていたはずなのだから
もし近づく事が出来るのならばそれは、上司である神官長か国王陛下の許可が必要なのだから。
神輿の警備責任者である私は、国外からの破壊者の対応に追われ、王子が聖女(性女)を山車に乗せていたことに気付く事が出来なかった・・・
その結果
今私の前では、無数の魔獣による蹂躙が繰り広げられている
神の結界は既になく
集まっていた群集を空から、壊れ果てている門から四方八方から大小の魔獣が引き裂いてゆく・・・
私や部下達だけではどうする事も出来ない
目の前の魔獣を倒すだけで精一杯で
手の届かない所にいる民衆が蹂躙されるのを、助ける事など出来ずに、又1人2人と部下達が倒されてゆく
因に、一番最初に山車に乗っていた聖女(性女)が
上空から飛来したワイバーンにひと噛みされ、上半身が消えて逝った・・・
多分遠目に・・・陛下も王子も神官長もガーゴイルにたかられていた様に見えた
我部隊以外の奮闘も見えるが多勢に無勢
消えて逝く命の方が多いだろう・・・
もうこの国は終わりだ
何でもっと早く!あのバカのやることが分からなかったのだろう・・・
何で神官長や陛下は止めなかったのだろう
今さらどうする事も出来ない
私に出来る事は1つ、魔獣を倒し
我が身などどうでも良い、目の前の民衆を助ける事だけだ
あぁ 神よ
願わくば国など失くなっても良い
1人でも多く生き延びられますように・・・
本当なんで分からなかったのだろう?