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1-2 王女と治療

ということで、僕はこの少女を治すことにした。


「大丈夫ですか?」

「仮面…?ええ、

ごめんなさい心配かけてすぐに戻るわ。」

彼女は苦しそうに答えた。


「ああ、この仮面は気にしないでください

気分が楽になるおまじないを知っているので、背中をお借りしてもいいですか?」


「ええ…いいわ」


彼女は明らかに怪しい人物の提案を

あっさりと受け入れた。

体格や、声的に自分と同年代なのが分かって警戒していないのか、そもそも怪しんでいる余裕がないのかもしれない。


「ありがとうございます。

あ、今からすることは他言無用でお願いしますね」


僕は彼女の背中に手を当てて、

魔力塊に向かって微量の魔力を送り込んだ。


「んっ………あんっ」


ぱきっ


「え?」


「じゃあねお姫様

今日あったことは全部夢だったってことで」


そう言うと僕は名乗りもせずに

仮面を付けたままでこの場を去った。


「ちょっと、まだききたいことが…」

何か言っていた気がするがいつまでも

立ち止まってはいられない。


この世界では鑑定の技術は普及しておらず、

この原理に気付き、魔力塊を発見できたとしても、

ピンポイントで魔力を送り込んで

破壊するのは至難の技である。


今は簡単にできたが、幼少期から魔力のコントロールを続け、最近ようやくできるようになった技術だ。


さらに、人の体内に魔力を送り込むことは

送られた側にとっては負担になる。

通常魔力の質は個人によって違うので、

元の魔力が別の魔力を取り込むのに相当な

エネルギーと時間がかかる。


送った魔力が多すぎると、

その負担に体が耐えきれない。


また、他人の魔力であれ同じ魔力であるため

当人の魔力のキャパを越えてしまうと、

死に至る。


破壊した魔力塊は、実際には悪性の腫瘍なんかではなくもとは本人の魔力なのでそのまま循環するだけで本人に負担はない。


もう少し進んでいれば、

何回かにわけて破壊する必要があった。

完全に滞ってたものをいきなり戻すと

体に負担がかかるし、いきなり体中の魔力が活性化し、耐えきれなくなる。


かなり繊細な技術が必要だ。



その後すぐに、王城を巡回していた兵士が

王女を発見した。


どうやら王女は席を立ったときに、

護衛が気づかず、

彼女は一人でそこにいたらしい。


王女が戻ったところで、

パーティはお開きとなった。


万一王女に見つかっても面倒なので

僕はそそくさと王城を後にし、

レイフィールド家の馬車に乗って帰宅した。


姫はパーティーが終わって、

僕を探しているようだった。


忘れろっていったのにな…

まぁしょうがないか


彼女は魔力が強い家の子供から探しているようだった。


背が低かったから子供。

ということは貴族の子供のはず。

ということで子供から探しているようだ。


姫は片っ端から貴族の査察に出ている。

この国の将来を担う子供たちの

実力を見せてほしいという名目で。


王位継承権は他の兄弟が持っているが、

王女にはこういった権限があるらしい。

………面倒なことだ。


その後僕は盗賊、奴隷商狩りにはまっていた。

奴隷商はもちろん悪徳なところだけを狙う。


盗賊はすべからく悪なので狩る。

世直しにも小遣い稼ぎにも技の練習にもなり、

一石三鳥だ。


悪徳な奴隷商とはちゃんとご飯を与えないなど、

奴隷に最低限の権利を与えないなど違法な奴隷商だ。


この世界の奴隷にも人権はある。

人(労働力)を買う感覚に近い。

性奴隷とか、殺すために買ったりとか、

買う側が好き勝手できるわけではない。


だから普通の人間は、

魔力欠乏症患者は買わない。

ほっといたら死ぬからだ。


しかし、ほっといたら死ぬのを良いことに

死者同然の扱いで性奴隷や実験体として、

売られている。


そこを襲って救うのだ。


魔力欠乏症には膨大な魔力を持つものが多く、

子供が多い。

魔力が膨大過ぎて子供のうちに循環しきらなかった魔力が徐々に体内に滞留してなるからだ。


魔力は上手く使えないまま、

徐々に衰弱するので、

多いことは本人は分からない。

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