爆発男のハリー
爆発がした方向には化物の二人がいたはずだ、わざと狙ったってなんの意味もないはずだ
薫「あんた、俺たちを襲った二人をどうした?」
??「あー、あいつらは使えないから殺した」
薫「嘘だろ、なんで仲間を殺した?」
カナン「あなた、自分の仲間をなんだと思っているの?」
??「気安く俺に問いかけるな人間が…」
この人は仲間のい、いの…『僕はまた』…命をなん…
『誰かを巻き込んだ』…だとおもわれtr…
『また』…nk…
『殺した』
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薫は俯きながらハリーの方向に振り返る
薫「このミソ以下野郎が、お前の喉元にぶっとい針を刺してやろうか、ああ!?」
この雰囲気はあの時の状態と似ている、けど薫が何に反応したのか私には理解できない
??「人間如きが俺にはむ…」
薫『明月流武闘術・飛沫』
薫はさっきの戦いの様に背後に回り込み、今度は三回相手に拳をたたきこむ、魔物の持つ四本の腕で薫さんを掴み、頭から地面に叩きつけて、投げ飛ばす
??「ただの人間が俺に拳を三回も殴るとは褒めてやるぜ」
薫「痛いな、もう少し優しい攻撃しろよ!」
??「お前名前は?」
薫「島原薫だ、お前の名前も聞かせろ!」
??「…俺の名前はハリーだ」
カナン(今、ハリーって言った?)
カナン「薫さん、そいつは魔王の幹部です!」
薫「そうか、それがどうした!」
以前、先生の教室に通っていた時に思い出す、それは魔王についてだ、特に魔王サイモンが1番情報が残っている
闇の王サイモンの幹部の中にハリーという名前がある
カナン「魔王幹部は普通の聖騎士が100人で戦って敵うかどうかの相手なんです、とにかくその人は危険だから逃げてください!」
薫「そうか、よくわかった!」
カナン「絶対にわかっていない!」
薫に魔王の幹部の話を聞かせても、逃げるそぶりを見せるどころか余計に暴れている
薫「そんなにやばい相手ならお前は逃げろ!」
ハリー「知っても逃げないとは褒めてやる」
薫「お前だけは絶対に許さねえ」
ハリー「…調子に乗るなよ人間が」
ハリー『パンチボンバー』
薫『明月流武闘術・陰』
ハリーの右腕が薫の顔に目掛けて殴りかかり薫は殴る軌道を変えるが、ハリーの攻撃は後ろの木にあたり爆発する、木の破片が薫の腹部に刺さる
薫「…マジかよ、爆発したぞ」
ハリー「これが俺の魔力『爆破』だ」
カナン「あなたが私の家を壊したのね!」
ハリー「…あーそうか、あの家はお前の家だったのか」
薫「今すぐこいつに謝れ、そうすれば俺はお前に攻撃はしないと約束してやる」
ハリー「謝るだと、何故俺が?」
ハリーは何がいけないのかまだわかっていないようだ、所詮、人間は他種族から見下される存在なんだ
薫「よしわかった、あんたがやったことがわからないなら俺たちはあんたと話すことはないそこを通してください」
ハリー「お前達、人間には決定権はない」
薫「やめろ、俺たちはあんたに構っている暇はないんだ」
ハリー「お前らの都合なんか知るか!」
ハリー『ジャボ…』
薫『明月流武闘術・飛沫紅染』
薫「わからないのなら何度も教えてやる、そこを通してください」
ハリーの攻撃を受ける前に、顎を通り過ぎるように一撃を与える
薫「…!」
ハリー「こんな攻撃、俺に効く訳ねぇだ…」
ハリーは薫の一撃をくらってもすぐ倒れることなく近付くが、3歩ぐらい歩いたところで崩れるように膝から倒れる
カナン「…びっくりした、でもこれでようやく無事に森から出られそうですね」
薫「…カナン、今すぐ走って森から出ろ!」
カナン「え、どういうことですか?」
薫「こいつは必ずすぐに起き上がる、その前に早く逃げるんだ!」
薫が私に逃げるように頼んだ時に目の前で爆発が起きる、さっきよりも強めの爆風が襲いかかるが薫が私を庇う
ハリー「いてぇじゃないか!」
カナン「なんで?」
薫「あの程度じゃあ、仕留められなかっただけだ」
カナン「…薫さん、背中!」
薫「…今更、このくらい何ともない」
薫が私を守るように庇ったから、背中はひどい火傷と出血を起こしていた
ハリー「お前は必ず殺してやる」
炎の中心にハリーがこちらに向かって睨んでいる、そんな姿を見て私は恐怖で肩を震わせる
薫「カナン、何をしている早く逃げろ!」
カナン「けど、ひどい怪我を負っている薫さんをおいてなんて!」
薫「ここで全滅より、一人でも逃げた方がいいに決まっている!」
ハリー「ごちゃごちゃ言ってんじゃねえぞ!」
薫「カナン!」
カナン「…わかりました、必ず助けを呼んできます!」
出口を目の前にして魔王幹部に出会ってしまい、彼一人を犠牲にして私は逃げる、私は『世界はなんて不平等なんだろう』といつも思ってしまう
そんなことを考えながら走り、森林を抜けて街に出る
カナン「やっと、サンマウスについた…」
息は切れても、早く薫を助けないといけない気持ちがある
体が疲れていても走り続ける
カナン「早く先生の元へ向かわないと…」