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扉の子  作者: 赤星 一香
序章
1/17

〜予兆〜

「人生は常に過酷な運命」なんて俺は思うけど、その運命が物語として誰かに作られているのなら、この世界を作った奴を俺はどれだけ恨むのだろう?


??「…父さん、母さん」


薫「…龍」


??「…」


薫「…おじいちゃ」


人は笑いたい時に笑い、泣きたい時に泣く、感情に任せて生きる生き方ができたのならどれだけ幸福で楽なんだろうか…


少なくとも、俺にはそんなかけてもらえるような優しい台詞は存在しない


??「残念だ」


薫(…なんで、そんな怖い顔をして俺を見てるの?)


家族だと思っていた人の目は氷のように冷えきった刃物のような鋭い瞳が、家族がいない幼い俺にとって心を閉ざした瞬間だった


薫(…なんで?)


あの日俺が見たものは、俺にとって人生の分岐点だったのだろう、今年17になる俺は高校二年で未だに独り立ちができていない


??「薫!」


薫「…龍」


今日もだるく登校していると、とある人物が俺に話しかけてくる


『滝谷龍』俺の幼馴染にして俺の義兄だ、学年は同じなのだがとても優秀で、こいつの方が先に誕生日がくるから俺の中で義兄にしている、なにより…


「あ、滝谷先輩よ!!」


「きゃー、ほんとだかっこいい!!」


「滝谷さん、今日もめっちゃ可愛いな」


「俺、あの人だったら抱かれてもいいわぁ…」


「何言ってんだ、気持ち悪りぃ…」


薫(男女から恋愛対象としてモテている、俺はこの学校で平穏にいられれば問題はねえけど…)


滝谷龍の話題は、どこに行っても通りすがりにこそこそ聞こえてくる


なんとなく龍からはそう感じさせる部分が多い、なぜなら完璧主義で文武両道を簡単にこなす龍のスペックは高い


俺の部屋に飾ってある父さん達の写真に写っている龍の母親をみたことがある、母親はモデルをやっていたのかと思えてしまうほどの美人だ


問題なのは、龍とその母親にそっくりの美人だ、違いがあるとすれば母親はショートボブだが、龍は髪が長いから髪を結んでいる


薫「んで、なんで風紀委員長のお前がこんな時間にここにいるんだよ、仕事は?」


龍「あぁ、委員会でしっかり振り分けているから問題ない」


薫「そうか、あっそ、じゃあ、またあとで!」

龍「待て待て待て!」


俺は龍から逃げようとその場から離れようとしたが、龍は普段の無表情で静かな顔から出てくるとは思えないくらいにっこりした笑顔で俺の腕を掴む


そんな龍の態度をみて俺の脳に嫌な予感の文字が頭をさえぎる、こいつの握る力は尋常なく強い、軽く振り払おうとしても難しい


龍「待てって」


薫「ああ!?」


龍「明石会長に伝言を頼まれている」


薫「伝言だって?」


龍「そうだ、明石会長は『また近いうちに会議を開くので一般生徒として優秀な君に是非とも意見が聞きたい』らしい」


薫「それなら前回も前々回も、俺は会議に出ただろ?」


俺は龍の腕を振り払おうと何度も試みるがどんどん握力が強くなる、龍は困ったような顔をしてお願いを続ける


龍「会長命令だ一緒に出てくれ」


薫「いや、前々から思っているけど、あの会議は菓子食ってお茶を飲んで喋った程度だったろ!」


龍「それなら不満はないだろ?」


薫「大アリだわ、俺にも自由な時間が必要なんだよ!」


龍「家事とかならジジに任せればいいだろ!」


薫「いいわけねえだろ、とにかくはーなーせー!」


ただでさえ、龍がいるだけで目立つというのに、俺が龍の願いを拒めば更に注目される


龍の顔立ちは俺から見てとても綺麗なため、こいつのか弱い雰囲気が漂いこの状況を見ている奴らの視線がとても痛く感じる様な気がする


薫「ゾワ!」


実際に俺からみて先に正門潜った人達は俺が悪者だと思い込み、俺に向けてすごい顔で睨んできている


「何あいつ?」


「滝谷君とイチャつきやがって」


「滝谷さんは絶対に渡さねえ」


こいつを敵に回すと大きな仕返しがくるだろう、こうなるともうここはこちらが折れるしかない


薫「…わかった、わかったから、どこにも逃げはしないからとにかく離せ!」


龍「…悪い」


薫「いいよ、いつも明石やお前にはお世話になってるからな」


俺が観念したのが理解したのか、抵抗をやめた俺の手を潰れるぐらい掴んでいた龍の手が離れる


龍「助かる、ところで今日はそのまま帰るのか?」


薫「ああ、委員会頑張れよ」


龍「…またあとで」


薫「おう、早めに家に帰ってこいよ」


龍「お前が心配なんて珍しいな」


薫「お前さん最近、働き詰めで夜遅くに帰ってくる多いだろ?」


薫「そんなお前さんに虎さんが心配しているから早めに帰ってこいよ」


龍「そうか、ありがとうな」


こいつは俺のことが嫌いなことはうすうす感じているけど、委員会の代表の一人としてプライドを捨てて、俺に接しているだけだ、別にこいつからどう思われていようが俺には関係はない、一緒に過ごしてくれた恩を返すだけだ


そう思いながら俺はいつもの高校生活にもどる

キャラNo.1【島原 薫】

性別:男

年齢:17歳

血液型:O型

身長:170.0

体重:63.0

性格:??


観察記録:

彼は幼少期の頃に何か大きなトラウマを抱えてしまい、明るい性格だったのが、今ではよくわからない性格になってしまった、まるで人格が複数あるみたいに…

しかし、彼は多重人格の持ち主ではないことは結果出ている、もう少し彼の経過観察が必要だ…

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