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双玉のルシフェル  作者: ネギトロ丼
3/4

3. 帰還と景色

さぁ、やっとここから(3話くらい後で)本格的なバトルとなっていくようです!バトルは描写を頭で思い浮かべるのが下手くそなのであまり描きたくありませんが頑張りましょう。

 魔法系が高い私と物理系の高い美穂で上手く闘う事が出来そうだ。今はまだ魔法覚えてないけど……


「どうしたの?落ち込んだ顔して」

「何でもない……うん……ステータスも確認したし、そろそろ進もう……」


 今のステータスでも十分強いから……さっきのゴブリンくらいならもう負けないくらい強いから……多分


「ここがダンジョンなら、出口に行く前にボスが居るはずだから、まずはゴブリン達を倒してレベル上げする」

「あいあいさー」


 きっとレベル上げすれば……魔法スキルも出てくれる……うん。

 

 観察や考察のスキルを使用しながら念入りに調査していく。虫1匹逃げられない超集中モードである。だが、現実はとても残酷だった。曲がりくねり進んだ1本道の先に階段が現れたのだ。


 まさかあの1匹がボスだったって事?分かれ道1つ無いって。最初の場所は後ろが壁で、今は目の前に上り階段があって……えぇ……嘘でしょ


 この洞窟は1本の道で出来ていたらしく、モンスターはゴブリン1匹。ゲームのチュートリアルでもこんなのないと思う。


「ボスどころか1匹も居なかったね」

「うん。まぁ、危険は少ない方が良いから……ね」


 ネット小説愛読家としては不服な結果だった。


 現実でポンポンモンスターが出てきたらそれこそおかしいだろうと自分に言い聞かせ平常心を保つ。


 この洞窟についても後々調べなきゃ


「美香、早く登ろ?」

「うん」


 階段は綺麗に整備されて、段差にゴミひとつなかった。この掃除の徹底ぶりを美穂も見習ってほしいものだ。


 階段を登りきると金属で出来た扉があった。左右対称の龍が炎を吐いてる絵が彫られており金色で塗装されていた。扉の端の方は街や自然が彫られて細部までびっしりぎっちりで集団恐怖症の人だったらここでリタイアかもしれない。


 こんな何も無いゴブリン1匹の洞窟にここまで盛大な扉を用意するのだろうか?もしかしたら自分達の功績によって変化するプレゼント部屋だったり。そうなると苦労したかいがあったというものである。何もしてないけど……


「世界遺産みたいだね!カッコイイ!」

「出よっか」


 馬鹿みたいに楽しそうに騒ぐ美穂を見て、考えるのを辞め、扉に手をかける。


 だが、扉は何故かぴくりとも動かなかった。


「んーー!!……はぁ……はぁ……んーーーー!!」

「何してるの?」


「扉が……開かない……」


 私が息を切らしてそう言うと、興味深々の顔で美穂は扉へと近づいて来た。


「よいしょ〜!……あれぇ?おかしいな」


 扉を押し込もうとしているみたいだが全く開く様子がない。何か条件があるとか?ボスが他に居たとか。


 私は色々な事を頭に浮かべ、扉の装飾を調べようと触れた。その瞬間、扉がゆっくりと開いていったのだ。


「もしかして、2人同時に触らなきゃいけなかった?」


 その考えに至ると、最初の行動がすごく恥ずかしくなり自分の顔が熱くなるのを感じた。


 扉が完全に開くと水彩画のようなぼんやりとした7色の小さな渦が現れた。その渦はゆっくりと広がっていき、ついには扉全域が7色のモヤで覆われてしまった。


「これで通れるって事なのかな」

「多分……?」


「それじゃあ行こっか!」

「え!ちょっ!まっ!まだ考えたい事がね!?」


 私がどうしようか考えている時、あろうことか美穂は私の手を引いてズンズンと扉の中へと進んで行ったのだ。その時既に美穂の頭はモヤの中に入っていて聞こえてない様子だった。元々差があった筋力がスキルのせいで更に離れてしまった。もはや私に抵抗の余地はないらしい……


 必死の抵抗も虚しく私の体もモヤの中へと完全に入ってしまった。


「「きゃぁぁぁぁぁぁ!!!」」


 完全に入ったと同時に猛烈な浮遊感が私達を襲った。隣で美穂がニコニコしながら何か話しているが何も聞こえない。


 落ちている方を見てみると黒い点が見えた。それはどんどん大きくなりハッキリと見える大きさになった所である事に気が付いた。


「あれ、私達の部屋?」


 もうすぐで部屋へと到達するという所で落下スピードが急に減速した。物理法則などあってないような空間なのだろう。


 2人とも綺麗に着地すると美穂はトイレへと向かって走って行った。


 我慢してたのは分かるけど帰って来てそうそうトイレって……


 状況を整理するため考察を立てようとした時、外から悲鳴が聞こえた。私は急いで窓を開け、外を覗き見る。


 すると、そこには豚のような顔をした2mほどの巨漢と、そいつから逃げる20代程の女性が居た。


 それだけじゃない。街の至る所で悲鳴やサイレンが絶え間なく聞こえてくる。

 

 私は改めてら世界自体が変わってしまった現実を突きつけられた気がした。

高評価やブックマークしてくれると嬉しいかもです。

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