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双玉のルシフェル  作者: ネギトロ丼
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1. ダンジョン襲来

さぁ、いつまで続くか分からない気まぐれ小説書いていきましょう


 どうしてこうなったんだろう……私達は今、どこかも分からない洞窟に閉じ込められていた。


美香みか……なんでここに居るのか覚えてる?」


 そう問いかけて来る双子の姉、杉本美穂すぎもとみほに、私は首を横に振って否定する。昨日の夜は確かに家で寝ていたが、起きた時には既にこの洞窟に閉じ込められていた。私が知っているのはこれだけだ。


「お母さん達はどこ行ったのかな……?」

「ごめん、起きた時にはここに居て……私にも分からない。兎に角ここを出るのが先……」


 いつも笑ってて無駄に明るい美穂が不安そうな顔をしているのを見て、いつも以上に私がしっかりしなければならないと思った。


「広いね、明かりも見えないし」

「洞窟、それもかなり奥の方に居るんだと思う」


 誰が何のためにこんな事をしたかは分からないが、今のところ私達以外に人は居ない。逃げるなら今だろう。


「行くよ、美穂。人が来る前に逃げよう」

「分かった」


 5人くらいが横に並んで歩けるほどの通路が続いている。


 人口の洞窟なのだろうか、壁や床の凹凸も少なく、何より不自然すぎるほどに平坦で石1つ落ちてない。


「美香……」

「どうしたの?」


「なんかダンジョンみたいだね」

「美穂は案外余裕そうだね」


 不安はまだあるけど、2人で一緒に居るからなのか軽口を叩きながら進めるくらいには余裕を持っていた。いや、美穂に関しては馬鹿なだけかもしれない……。


 曲がり角に差し掛かった辺りで、影が動いているのが見えた。すぐに曲がって見えなくなってしまったが人影で間違いない。


「今の見た?」

「しっ、誘拐犯かもしれないから声を抑えて。私が見てみる」


 恐る恐る覗き見ると、110センチ程で手足は棒のように細く、今にも倒れそうな程に顔色の悪い子供が居た。


「美穂、子供が居た。小学生くらいの子」

「私達と同じく連れてこられた子なのかな」

「分からない、多分誘拐犯じゃないとは思う。でもちょっと様子がおかしいから「君も連れて来られたの?」……待ってて……って言おうとしたのに……」


 そいつは美穂の声で気が付いたのか、立ち止まりゆっくりと振り返る。


「ギィィ、グガガ」


 そいつはそう言うとニタァとした笑みを浮かべた。まるで獲物を決めた殺人鬼のような目。


「「……」」


 その表情はあまりにもおぞましく、私達は足が竦んでしまう。その瞬間、そいつは私達に向かって勢いよく走り出した。


 (まずい、せめて武器か何かあったら……なんで石1つすらないの……!?)


「美穂……!とにかく来た道を戻る……!」

「う、うん」


 結局、1番最初の位置まで戻ったが状況は何も変わらない。それどころか端に追い込まれたため悪化してすらある。


「どうにかしてあいつを止めなきゃ……きっと殺される……」

「すごい目付きだったからね……私もそう思う」


 体格は私達よりも40センチほど低く、足が短いためか足は遅い。


「ギィィ、グギギィ」


 そいつは追い詰めたぞとでも言いたげな表情で、私達の方を見る。


「やるしかない……」

「うん……」

「ガアァァア!」


 そいつは私の方に向かってきた。


 (2人で生き残るなら……私が抑えるしかない……! )


 頭が悪いのか飛び上がり、大振りの右フックを放ってくる。だかそれでも私には十分すぎる脅威だ。私は何とか体を動かし右の頭を守る。想像以上に力が強く、倒れはしなかったものの、よろけてしまう。


「美香!」

「大丈夫……!」


 そいつは勢いをそのままに頭から地面に落ち、2回転ほどして前のめりで止まった。頭から落ちたのかなかなか起き上がれずにいた。


 私はそのチャンスを逃すまいとそいつの上に飛び乗り、首に手を回す。殺してはいけない。だけど気絶させるくらいなら正当防衛だろう。


「グゲェ……ゴフッ……」


 喉が締まり上手く声が出せないようだけどそんなのに構ってる場合じゃない。私はさらに強く首を絞め抵抗が止まるのを待った。


「ガ……ガ……」


 完全に抵抗がなくなり気絶した事を確認した私はゆっくりと手を離した。


「いきなり何も聞かずに襲ってきて……なんだったの?」

「分からない……でも1つ確かな事……こいつ人間じゃない……」


 そいつは全身薄い緑色をしており、耳や歯は、先が鋭利に尖っていた。まるで物語に登場するゴブリンのようだった。


「兎に角……こいつが起き上がる前に、行こう」

「うん、そうだね。動けなくてごめんね」


 私はそいつから離れ、目を離した。その瞬間、背中に強い衝撃が走り、私は前に転倒してしまった。そいつは、前のめりに倒れた私の上に跨ると髪を引っ張り床に顔を叩きつけた。


「美香から離れろ!」


 急に体が軽くなった、さっきまで動けずにいた美穂が、そいつに蹴りを入れて私から離してくれたようだ。その瞬間、そいつに変化が生じた。


 身体から光を発しながらサラサラと崩れだした。最後にはビー玉程の石を残し消えてしまった。


《ゴブリンを倒しました。地球にて、最初の魔物討伐……確認しました。称号・先人者を贈呈します、宝玉オーブを贈呈します》


「「えっ……?」」

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